「ICT建機のフル活用で勝つ!阿部建設編」を掲載
2016年11月29日

マシンコントロール・マシンガイダンスシステム活用事例(3D-MC²・3Dxi)

ICT建機のフル活用で勝つ!

人手不足と競争優位性の獲得を実現した3D-MC2と3Dxi

山形県酒田市の阿部建設様。同社代表取締役の阿部正志(あべまさし)様によると、「最近は道路工事が多いですが、一般住宅の建築まで請け負います」という酒田市を中心に業務を請け負うゼネコンだ。 同社の方針は独特で、よほど特殊な工種でない限り外注に出さない、”工事の最初から最後まで一気通貫で行える会社”を目指しているという。故に同社には、数多くのMDTS、複数のイメージングトータルステーションISを始め、GNSS受信機HiPer V、データコレクタ、設計ソフトウェア、マシンコントロール/マシンガイダンスシステムと、多種多様の最新機材が揃っている。しかも社員教育も意欲的に取り組んでいることで、全従業員が基準点測量から3次元データの設計、重機の操縦、出来形検査、電子納品まで全てをこなす”多職能集団”なのである。 そんな同社へ、今回は現場でフル稼働しているというマシンコントロールシステム3D-MC GNSSドーザー Z63 3D-MC2(以下3D-MC2)と、マシンガイダンスシステム3D-MG GNSSショベル 3Dxi(以下3Dxi)を中心にお話を伺うべく、路体盛土工と現場打構築工の掘削・法面整形を行っている道路改良工事の現場を訪問した。

人手不足の解消と競争優位性を手に入れたい。

阿部建設様が抱えていた課題、まず阿部様が挙げられたことは人手不足。特に若手技術者やオペレーターが少ないという、建設業界全体の課題と等しい。そしてもう1つの大きな課題、それは”いかに入札を勝ち取るか”ということ。数多くある同業他社と同じことをやっていたのでは、単に価格勝負になってしまう。加えて、工期と費用の両面で発注元からの要求は年々高くなってきている。会社を継続するには、技術力と生産性を上げ利益を保つ経営基盤の強化が必須だ。そこで同社が最初に目を付けたものがTS出来形への対応と、今回お伺いする3D-MC2、3Dxiの導入だったという。「マシンコントロール/マシンガイダンスシステムの導入は、当社の課題解消に役立つと考えたのです。まず試したのは3D-MC2でした。投資額も大きなものなので、最初はレンタルでしたが、簡単に使えたことはもちろんのこと、あまりにも綺麗に仕上がりましたので”これはいける”と判断し購入に至った次第です」

誰でも施工できる3D-MC2

その後、3D-MC2の使用を技術提案し工事を落札する。また、3D-MC2を使用した施工レポートを国土交通省 東北整備局 酒田河川工事事務所主催の工事技術検討会にて発表し、技術部門で最優秀賞を受賞。この表彰で、年間を通じて評価点1点が加点されることになった。まさに3D-MC2の導入は、同社の課題の解消に貢献したのである。 それでは、現場における3D-MC2使用のメリットは?同社工事主任の池田一也(いけだかずや)様に伺った。「一番のメリットは、ブルドーザーが操縦できれば、誰にでも設計データ通りに施工ができることです。実際、操縦資格を取ったばかりの新入社員にも操縦させますが、仕上がりはとても綺麗なものです。また、高速走行で施工できますし、仕上げのスピードは倍以上に上がりました」 興味深いことに、冬場の施工にも有用だという。「雪が積もってしまった場合は除雪してから作業を行うわけですが、3D-MC2を使えば素早く簡単に、そして綺麗に雪だけ取り払うことができます。これはこの地方特有なことでしょうけれど、これも導入メリットに挙げられますね」

丁張り不要、安全面も向上した3Dxi。

3Dxiイメージ続いて3Dxiについて。はたして現場作業はどのように変わったのか。同じく池田様に導入のメリットを伺った。「3次元データを運用して施工するので、なんといっても現場に丁張りが不要になったことが大きいです。これだけでも作業効率は格段に向上しています。それから施工中、リアルタイムに設計面との差がわかることころも良いですね。曲線などの複雑な形状でも、今まで中間点は丁張りを見ながら経験や勘で整形していたものがガイドに合わせれば良いだけですから、切りすぎや切り残しもなく、精度良く施工できています」 さらに評価いただいていることが、安全の向上について。池田様は更に続ける。「今回は道路線形だけでなく、構造物に対する線形や床付け面もデータを作成して施工しています。特に床掘りの場合、今までは水糸を張ってショベルの脇でバケットの上げ下げを指示していいましたが、3Dxiはそれも不要になります。接触事故の心配もなくなりました」

『i-Construction』に向けて。

同社では、もはやマシンコントロール/マシンガイダンスシステムは、特別なものではなくなっている。今後の活用について、3D-MC2に関していえば情報化施工という仕様にとらわれない工事、例えば宅地造成や圃場整備にも積極的に活用していく予定だ。業務拡大も視野に入れている。阿部様から今後の抱負をいただいた。「当社は他社に先駆けて3次元データの活用を始めましたので、今では設計データの作成から電子納品までを自社で行うことができます。近い将来、このノウハウを活かしてコンサルタント事業にまで発展できれば良いですね」 さらには「次の課題は、3次元点群データの活用です」とも。現在では、国土交通省 東北地方整備局発注のICT活用工事を受注し、UAVを使った空中写真測量についても取り組み始めた。まさに『i-Construction』を実現しようと前進を続ける同社。これからの阿部建設様には要注目だ。

代表取締役 阿部正志様代表取締役 阿部正志 様
工事主任 池田一也様工事主任 池田一也 様

 

詳しくは、トプコンのウェブサイトで。

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