インド鉄道の近代化に向けた初のR&Dプロジェクト
2017年1月17日

FARO、インド鉄道インフラの近代化を実施するための初のR&Dプロジェクトをサポート

作業に対して適切な機器を有する重要性を過小評価してはなりません。測量やマッピングプロジェクトにおいて、最新3Dレーザースキャニングテクノロジーを活用することで、研究結果に大きな差がうまれます。インド工科大学ルールキー校(IITルールキー校)の研究者グループは、国家重要機関としてインド政府から高く評価を受け、インド鉄道インフラの調査実施の際、このことを直に体験しました。
IITルールキー校、土木工学の教授であるKamal Jain博士は、インドの現在の鉄道インフラに関する洞察および線路、信号機や駅・ターミナルに関する改善推奨事項を鉄道省に提供するため、調査プロジェクトを立ち上げました。Jain博士はこう述べています。「今のところ、インドで類似研究を行っている機関は他にありません。このプロジェクトはインドの将来的な鉄道インフラを形成するにあたり、大きな可能性を秘めており、発展を推進するためには、最も正確で客観的な調査結果を提示することが必須です。」 第一ステップ 測量および写真測量法のエキスパートであるJain博士にとって、信頼性が高く効果的な測量ソリューションの選 択が、調査遂行の上で最も重要な第一ステップであると考えていました。Jain博士の調査の一環として、従来の写 真測量法と最新スキャニングソリューションの比較を行った結果、このプロジェクトの成功には、高精度で高速な デバイスが必要だということは明確でした。
写真測量法を使い、鉄道プラットフォーム全体をスキャンするのは、時間がかかり、複雑な計算に携わる作業になりかねません。さらに、調査チームは、頭上の送電線、鉄道プラットフォーム上の設備(例えば、エスカレーター、店舗やインフォメーションセンター)、線路の切り替え、列車の発着頻度を含む、いくつかの検討事項を考慮しなければなりませんでした。

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FARO Laser Scanner Focus3D X 330で取得したスキャンデータ

これらの理由と調査対象エリアが大規模であることから、Jain博士はレーザースキャニングテクノロジーを活用 することに決定しました。IITルールキー校の調査チームは、FARO Laser Scanner Focus3D X Seriesを過去 に使用したことがありました。これは、大学が早くにFAROと提携し、学生たちに3次元測定と3Dデジタルドキュ メント化ソリューションを直に体験してもらうためでした。

「市場で利用可能な最新レーザースキャニングテクノロジーを使用する機会を得ることは、当校の学生にとって良い機会でした。スキャン容量と複雑性、それに我々が求めている精度レベルを考慮すると、Focus3Dの選択は当然ともいえました。何より重要だったのは、このプロジェクトの調査を迅速に行うため、測定時間が短いという我々が切望している時間的なメリットをFocus3Dにより手に入れることができることです」とJain博士は説明しています。

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Focus3Dを使い、鉄道インフラをスキャンする調査員

FAROのFocus3D > 写真測量法 高速で高精度な3Dデジタルドキュメント化のために設計されたFARO Laser Scanner Focus3D X 330は、IIT ルールキー校の調査チームの可能性を拡げてくれました。コンパクトで軽量なFocus3Dは、室内・室外のスキャン が可能で、直射日光下でさえも十分な能力を発揮してくれます。チームは光条件に関わらず、データを取得するこ とができたので、この機能は必要不可欠だと証明されました。

さらに、Focus3Dの測定範囲と測定精度レベルにより、調査チームは自分達が必要としている結果を得ることが できると自信が持てました。0.6mから330mまでという非常に長いスキャン距離が特長であるFocus3Dは、最大 2mmという距離精度を実現しています。鉄道調査において微細にディテールを取得する必要を考えると、チーム の用途において、この特長は非常に有益でした。

Jain博士と調査チームはFocus3Dを使い、ルールキー鉄道駅とその周辺エリアを、10日という短期間で完全にス キャンすることができました。鉄道システムのあらゆる外観に関して、デジタルドキュメント化を行うため、あらゆ る角度からのスキャンが必要とされ、常にFocus3Dの位置を変更しながらスキャンを実行しました。合計で、チー ムは8km以上に渡る50回ものスキャンを行い、1回のスキャンにかかった時間はセットアップから測定完了まで 30分でした。現場でのデータ取得として、だいたい1日に6回から7回のスキャンを実施し、10日以内に全スキャン の工程を終了しました。Jain博士はこう付け加えています。「ポータブルなFocus3Dと付属のSCENEソフトウェア がなかったなら、データ取得だけのために、現場で30日も過ごさなければならなかったでしょう。これは大きな改 善です!」
FAROのFocus3D > ベンチマークの確立 インド政府は既存の鉄道ラインを2倍にする計画があるため、調査結果はインドの今後の鉄道インフラ戦略に影 響を与えるでしょう。「この調査の緊急性と重要性を知っていたので、現在の鉄道状況に関して、最も正確な描写 をすることに我々は全力を尽くしました。Focus3Dにより、迅速かつ正確なスキャンデータの取得が可能となり、 このプロジェクトにとって理想的な機器でした」と、Jain博士はFAROのスキャナーの精度とドキュメント化速度 のレベルの高さを強調し、こう述べました。

スキャンごとに点群データを取得できるという利点に加え、Focus3Dは完全かつシームレスな3DマップをIITルールキー校に提供してくれました。政府とデータを共有した際、このデータは国の3Dスマートシティデータファイルと簡単に統合できました。
Jain博士はこう締めくくっています。「世界中でFocus3Dがなぜこんなに人気が高いのかすぐにわかりました。調査期間を考えると、このプロジェクトは当初困難だと思われていました。しかしながら、このスキャナーによって計り知れないほどのメリットを享受できたおかげで、我々はスキャンとドキュメント化タスクを効率よく完了することができました。今後測量プロジェクトがあれば間違いなく、再度Focus3Dを使用するでしょう。」

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鉄道プラットフォームの点群データ

詳しくは、FAROのウェブサイトで。

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