Autodesk Revit 2017 で ST-Bridge データ連携を実現
2017年4月8日

詳細な構造解析情報をBIM環境に取り込むアプリを提供開始 設計・施工の関係者と高いレベルの情報共有が可能に

オートデスク株式会社は、日本の建築構造分野で一貫構造計算プログラムとの連携に重きをおいた標準フォーマットとして利用されている「ST-Bridge」フォーマットファイルと、当社 BIM ソフトウェア「Autodesk® Revit® 2017」の連携を行うアドオン アプリケーション「ST-Bridge Link 2017」を本日 4 月 7 日から提供開始します。「ST-Bridge Link 2017」は、サブスクリプション契約者向けに当社アプリ提供サイト「Autodesk App Store」で提供します。

提供サイトのリンク:http://autode.sk/2o7oo6A

ST-Bridge は、国際規格の中間ファイル形式「IFC」※では扱いにくい構造分野の情報(配筋や部材オフセットなど)を補うために、日本独自の標準データ形式として生まれました。建築物の構造計算を行う一貫構造計算ソフトウェアで出力される項目に対応し、現在では積算ソフトウェアや鉄骨専用 CAD ・鉄骨汎用 CAD などの建築関連ソフトウェアでも入出力が可能です。

現在、建築物の構造計算は、設計事務所や建設会社が市販ソフトウェアや自社開発システムなどを使用して行っています。この計算結果をBIM環境で活用するためには、各ソフトウェア会社が独自に変換ツールを用意し、ユーザーがそれぞれのツールを導入する必要があります。また、構造設計担当者がIFCを利用する場合、先述の通り構造計算で得られる詳細な情報が一部含まれないため、十分なBIM連携が行えないこともあります。

今回の機能開発により、上記のような ST-Bridge に対応する建築関連ソフトウェアから出力される断面のサイズ、材種、配筋本数、径、ピッチなどの部材定義や、部材の寄り、レベルといった配置情報などを含む建物情報を、Revit のモデルとして取り込むことが可能になります。この結果、設計行程での情報共有をより正確に、綿密に行うことができるようになり、効率的かつ円滑な業務フローの実現が期待できます。この機能開発は、当社がさまざまな企業と技術協力を行ってワークフロー連携を進める取り組み「Integrated BIM」の一環で、一般社団法人 buildingSMART Japan、Autodesk Revit User Group Japan、センクシア株式会社と共同で行いました。

ST-Bridge Link 2017 の特長

  • ST-Bridge ファイルを Autodesk Revit 2017 にインポートできます。操作を迷わずインポートできるように専用テンプレート(各種構造ファミリ含む)を用意しています。
  • 柱脚情報が含まれている場合には、株式会社センクシアの柱脚ファミリ 168 点を使用したインポートが可能です。
  • マッピングテーブルを編集することで、利用中のファミリにも対応可能です。この変換に必要なパラメータセットが手元のファミリに存在しない場合は、パラメータ追加機能で一括追加も可能です。
  • 部材の勝ち負け判定を自動で行います。結合済みの部材のみとし、 結合順序は、杭>基礎>柱>梁>壁・ブレース>床 とします。
  • 「RC 断面リスト作成 2017」や「S 断面リスト作成 2017」ともスムーズに連携し、マッピングテーブルは全て統一されています。
  • buildingSMART Japan の協力により、RC 造とS 造の ST-Bridge サンプルデータを同梱しています。
  • 変換ツールを使用せずに日本仕様の一貫構造計算データを Revit の BIM 環境で使えるようになりますので、設計・施工に関わるさまざまな関係者と共有して、業務フローの効率向上につなげることができます。
  • 構造設計者は、IFC よりも詳細な情報を保持することがきるため、情報の追加や修正をせずにそのまま Revit モデルとして取り込むことができます。

一般社団法人building SMART Japan 鹿島 孝様

ST-Bridge は構造設計者と構造関連ソフトウェアの開発者が協働で作成しました。本開発により、BIM が構造設計者にとってより身近なものになり、設計者間のみならず施工関係者との情報共有も推進されるものと期待します。

Autodesk Revit User Group Japan 会長 飯島 憲一様

RUG は SS3Link の開発を通じ、SS3 と Revit のダイレクト連携を実現しましたが、こうした連携は特定のソフトウェアに限定されます。本開発でより多くのソフトウェアとの連携に期待すると共に、今後出力機能の開発により更に多くの連携が可能となることを期待します。

センクシア株式会社 後藤 邦彦様

弊社が業界に提供しているハイベースシリーズのファミリを、本開発内容と連携できるようになりました。構造計算においてハイベース工法を用いた場合はシームレスに BIM 環境にハイベースの形状を含む情報が反映されるようになりましたのでぜひご活用ください。

※ST-Bridge

日本国内で利用される建築構造設計に関するデータの標準形式として、2010 年に IAI 日本(※)が開発。(※現在は、一般社団法人building SMART Japan に名称変更)

※ IFC

建設業界で使用されるソフトウェア・アプリケーション間のデータ共有化とその相互運用を目的に、建築の国際業界団体 Building Smart International が開発。ドア、窓、壁など、建物を構成する全ての要素データの国際標準形式。

詳しくは、オートデスクのウェブサイトで。

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