業務用3Dプリンティングソリューションを発表
2017年7月10日

日本HP、ものづくりを変革する業務用3Dプリンティングソリューションを発表

 

2017年6月20日

株式会社 日本HP

株式会社 日本HP(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:岡 隆史)は、3Dプリンティング事業を開始し、業務用3Dプリンティングソリューションを販売することを発表します。新製品「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」は、設計から試作、製造までのものづくりの工程に変革を起こすものです。既存の3Dプリンティングによる造形方式と比較して、最大10倍のスピード(*1)と半分のコスト(*2)で高い品質のパーツ(*3)を生産することが可能です。

本製品は、6月21日から東京ビッグサイトで開催される「設計・製造ソリューション展(DMS)」のHPブース(41-36)において、国内で初めて展示します。また、HPブースでは、再利用性の高い造形材料「HP 3D High Reusability PA 11」、「HP 3D High Reusability PA 12」や「VESTOSINT® 3D Z2773 PA 12」を含む各種アプリケーションや、サンプル品を展示します。

また、国内での販売において、武藤工業株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:早川 信正)とリコージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:松石 秀隆)の2社と、HP 3Dプリンティング・マスターパートナーとして協業を開始したことを発表します。認定マスターパートナーは、製品に関する技術情報に加え、新しいアプリケーションへの対応など付加価値の高いサービスを提供します。また、HPと協調し、今後「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」の展示、検証などを行うデモルームを開設し、お客様のニーズにきめ細かく対応していきます。

〈生産性を向上させる「HP Multi Jet Fusionテクノロジー」〉
HPの3Dプリンティング技術である「HP Multi Jet Fusionテクノロジー(エイチピー・マルチジェットフュージョンテクノロジー)」は、HPの30年以上におよぶプリンティング技術と高度な材料の知見をもとに開発されています。生産性と品質の向上を低コストで実現することで、3Dプリンターの活用の可能性を大きく広げます。

「HP Multi Jet Fusion テクノロジー」は、ボクセル(Voxel)単位(*4)で必要な特性を持たせることが可能なため、将来的には、ボクセル単位でカラーやテクスチャー、機械的特性を持たせたパーツを造形することができます。これにより、業界ごとに異なる多様なニーズに応じて、導電性、柔軟性、透過性、埋め込みデータなどを備えた3D造形物を生産できます。

最大10倍の造形スピード
約30 cm x 約40cmの造形エリアを面として一度に造形するプロセスにより、一点ずつ造作する既存の造形方式などと比較して最大10倍の造形スピードで高い品質のパーツを生産します。

品質、強度、耐久性
「HPサーマルインクジェットテクノロジー」を活用した独自のマルチエージェント・プリンティングプロセスは、造形エリアで材料の積層と二種類のエージェント(溶解促進剤)の噴射、ヒーターによる加熱を繰り返して固めていくことで、高い寸法精度と弾性、縦/横/高さの3方向すべてに強度を備えた、高品質のパーツを生産します。

高い経済性
パウダー除去などの後加工や材料の再充填など、3Dプリンティングプロセスの様々な工程を統合することで、生産時間、コスト、エネルギー消費や無駄を削減し、3Dプリンティングの経済性を向上させます。

〈包括的なHP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション〉 3Dプリンター
「HP Jet Fusion 3D 3200 プリンター」は、プロトタイプの試作に最適です。広いモデリング造形サイズへの対応により、様々な用途に利用することができます。また、「HP Jet Fusion 3D 4200 Printerプリンター」は、プロトタイプ試作に加え、小ロットの最終製品の製造に対応できるよう設計されています。高精細で高速な造形性能や大容量カートリッジへの対応などによる高い生産性により、コストを抑え即日納品への対応を実現します。

プロセッシングソリューション
「HP Jet Fusion 3Dプロセッシングステーション」は、材料の充填、パーツの冷却、取り出しなどを行います。材料を充填したビルドユニットは、簡単にプロセッシングステーションに移動でき容易に材料を切り替えることが可能です。「HP Jet Fusion 3Dファーストクーリングプロセッシングステーション」は、より冷却時間を短縮する機構と大容量の材料カートリッジを備えます。

〈販売時期、価格〉
・「HP Jet Fusion 3D 4200 プリンティングソリューション」の価格は約3,800万円から、8月の販売を予定しています。
・「HP Jet Fusion 3D 3200 プリンティングソリューション」は、11月からの販売を予定しています。
※価格には保守、サービス、据付調整費、消耗品等は含まれません。

〈海外の動向〉
《戦略パートナー》
BMWグループ、ナイキ、Jabil、ジョンソン・エンド・ジョンソンを含む戦略パートナーは、自動車、航空、ヘルスケア、一般消費財など様々な業界において、プロトタイピングや最終製品パーツの製造にHP 3Dプリンティングテクノロジーを活用した取り組みを進めています。

《サービスビューローやプロダクトデザイン会社での採用》
ものづくりの変革をリードするサービスビューローやプロダクトデザイン会社は、業界に先駆けて最先端のテクノロジーを採用し、自社の顧客に画期的なサービスを提供しています。業界をリードするFast Radius、Forecast3D、Go Proto、Materialise、ProtoCAM、Proto Labs、Shapeways、Sigma Design、3D ProdなどがHP 3Dプリンティングシステムを導入し、「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」で生産した高品質なパーツを提供しています。

《オープンプラットフォームによる多彩な材料とアプリケーションの提供》
HPのオープンプラットフォームモデルは、新材料の開発、広範囲のアプリケーションへの取り組み、材料と開発コストの低減、スピードとパフォーマンスの向上、特定の業界ニーズへの対応など、3Dプリンティングの新たな可能性を広げます。
業界をリードする化学メーカー、アルケマ、BASF、エボニック、ヘンケル、Lehmann & Vossに加え、直近ではSinopec Yanshan Petrochemical CompanyがHPのオープンプラットフォームに参加しました。
HPは、HP Multi Jet Fusionプラットフォームで、バランスの取れた機械的特性を持つ実用的なパーツを生産するため、強度と汎用性があり高い再利用率(*5)を実現する熱可塑性素材の新材料「HP 3D High Reusability PA 12」を開発しました。エボニックは、「HP Jet Fusion 3Dプリンター」用として初めて認定を受けたポリアミドベースの「VESTOSINT 3D Z2773 PA 12」を開発しました。HPは今後「HP 3D High Reusability PA 11」を含む熱可塑性材料を拡充し、本年後半より提供予定です。また、将来はエラストマー、PA12ガラスビーズ、難燃性を持つ材料などの提供を予定しています。

《HP 3D Printing Reference and Experience Center》
HPは数多くのパートナーと協力し、企業が「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」を生産レベルで使用できるよう、アジア地域、北米、欧州に「HP 3D Printing Reference and Experience Center」を開設しています。3Dプリンティングの検証は、コントロールされた環境で行われ、お客様がプロトタイピングから本格的な3Dプリンティングを活用した製造へ容易に移行することを支援します。

*1:「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」と、販売価格10万ドル~30万ドルのFDM(熱溶解積層方式)/SLS(粉末焼結積層造形)の造形速度の平均値の比較。2016年4月時点のHP社内における試験とシミュレーションの結果に基づきます。
試験変数:分量-HP Jet Fusion 3Dの造形スペースに対して20%密度のパーツと、対象製品における同じパーツ数との比較。パーツサイズ-30グラム当たりのレイヤーの厚み0.1mm/0.004インチ。SLSと比べ、「HP Jet Fusion 3Dファーストクーリングプロセッシングステーション」はパーツの冷却時間を短縮。FDMは、これに該当しません。

*2:「HP Jet Fusion 3Dプリンティングソリューション」と、販売価格10万ドル~30万ドルのFDM(熱溶解積層方式)/SLS(粉末焼結積層造形)のパーツコストの平均値の比較。2016年4月におけるHPの社内試験データと公開データに基づきます。
分析手法:メーカーが推奨するソリューション設定の標準的な価格とサプライ品の価格、メンテナンスコストに基づきます。
比較基準: 1日あたり造形スペース1~2杯分のパウダーを週5日間、1年以上、メーカーが推奨する粉末の再使用率を利用して10%密度のパーツを30グラム造形した場合。

*3:±0.2 mm/0.008インチの寸法精度に基づき、サンドブラスト後に測定しています。 材料性質については、hp.com/go/3Dmaterials (英語)をご覧ください。以下の特性の機能を基にしています: 引張強度45-50 Mpa、引張係数1600-1900Mpa。PA12を使用したASTM標準テスト。

*4:従来の2Dプリンティングのピクセルに相当する3Dプリンティングにおける体積の単位。

*5:「HP 3D High Reusability PA 12」は、PA12材料を使用する他社の3Dプリンティングテクノロジーと比較し、ポストプロダクションのパウダー回収再利用率約80%を実現します。未使用材料を約20%を入れることで安定した性能を発揮し続けます。

詳しくは、日本HPのウェブサイトで。

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