ソフトバンクとトヨタの提携はBIMとも関連がある

2018年10月23日

BIMで建築が夢をみる

#45 ソフトバンクとトヨタの提携は遠からずBIMとも関連がある

ソフトバンクグループとトヨタ自動車が自動運転技術などモビリティーに関連する新たなサービス分野で提携し、共同出資会社を設立すると発表したのは10月4日のことでした。これから急速な発展が期待できる自動運転車を使った配車サービスなどの分野で協力するとのことでした。かつてであれば、同じ舞台の上に登壇し、握手することなど考えられなかったソフトバンクグループの孫正義会長兼社長とトヨタ自動車の豊田章男社長の姿は驚きと共に、各メディアで紹介されました。これらの動きさえも、BIMとは決して遠からずという出来事だと考えられます。

自動運転車はただの「運転手のいない車」ではない

豊田章男社長は、「自動車産業を取り巻く現在が100年に1度の大変革の時代を迎えていること」「変化をもたらしているのはCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)だということ」「そして何よりも、これからはトヨタ自動車も、車を作る会社からモビリティーサービス会社に変わること」だと表明しました。

遅ればせながら、我が国政府も、2030年には「新車の3割を自動運転に」との目標を公にしています。自動運転車はただの「運転手のいない車」ではありません。20世紀初頭に、移動手段が馬車から自動車に一挙に変わることで、人々の生活や行動様式も大きく変化し、都市の光景さえも変えたのに匹敵する変化が起こると考えられています。

MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの創設者であるニコラス・ネグロポンテ氏が2015年10月14日に「Innovative City Forum 2015」で行った予言的な講演が思い出されます。ネグロポンテ氏は、「もしも2020年に東京を走る自動車が全自動運転車になれば、駐車場はいらなくなり、車の数は9割減らせる」と語りました。

ただの「運転手のいない車」は、それぞれが通信しながら、駐車場の空き情報などを確認しながら、移動していきます。道路自体が駐車場になっているようなものなので、渋滞はなくなり、空いている駐車スペースもすぐに見つけられます。そして車を共有することで確かに「自動車の9割はいらなくなる」のも想像できます。それによって都市計画さえも、大きな変更を求められるでしょう。

BIMによってデジタル化された対象建物の情報は都市情報とも融合される

これまで見てきたようなCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)を支えるのは、デジタル化された都市情報です。だからこそ、ITの巨人となったGoogleがソフトバンクとトヨタ自動車の競争相手にもなるわけです。

BIMの普及が進む中で、CIM・GISなどの都市情報との融合が視野に入ってきました。BIMによってデジタル化された対象建物の情報は、それら都市情報とも、融合されて、必ずやCASEを展開するための鍵となります。
考えてみてください。Googleでさえも、都市空間の中に林立する建築物のデジタル情報まではもっていません。勿論、極論すれば、Googleも、ゼネコン一社程度を買収でもするかもしれませんが…。
BIMは設計施工対象の建物のデジダル化を遥かに超えて、これからの都市情報のデジタル化の最も重要な領域を担うのに違いありません。それによって、建設業はデジタル化された情報を構築することで、新たな情報産業へと変貌を遂げるでしょう。そのような視点からも、今、起こっているBIMの普及も考えるべきでしょう。

    参照:Innovative City Forum 2015「基調講演「ディファレンシズ」(日本語)19分30秒~

詳しくは、GLOOBEのウェブサイトで。