フリーソフトで超簡単!あなたもできる津波シミュレーション
2012年11月20日

管理人のイエイリです。

沿岸部の街に住んでおられる方にとって、大地震で津波が起こったとき、自分たちの街はどうなるのかは大きな関心事です。

そこで自治体などでは予想される津波高や建物がどこまで水没するかをリアルに可視化するため、津波シミュレーションを作成することもあります。しかし、費用や技術の面で、自分たちの街の津波シミュレーションを行うのは無理だとあきらめていませんか。

このほど、高知市立潮江小学校で行われた校区の防災フェアで、身近な近隣の風景が津波が来たときにどのように変わるのかという津波シミュレーションが展示されました。

使ったソフトやデータは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

SketchUpとGoogle Earth

 

だけという、超簡単にできるものなのです。このシミュレーションを行ったのは、高知市内で設計事務所TAG建築設計を主宰する田上圭一さんです。

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津波で水没した校区内の街並み(左)。潮江小学校での防災フェアの様子(写真・資料:田上圭一氏。以下同じ)
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津波の水深が1mの場合(左)と5mの場合(右)の違い。5mだと水の底という感じです
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津波シミュレーションを作成した田上圭一さん(左)と展示ブース(右)

「5mの津波が予想されている」と言われても、街がどこまで水没するのかは分かりにくいですが、この超簡単なシミュレーションを見るとおおよそどうなるのかが分かります。避難する場所もおのずと分かってきますね。

作るモノは、SketchUpで作成した適当な広さの平面だけ。これに半透明の水のテクスチャーを与えて津波の水面とします。そしてSketchUp上でシミュレーションしたい場所を「場所を追加」で特定し、「Google Earth上でレビュー」のボタンを押します。

すると、Google Earthが起動し、SketchUpで作成した水面とGoogle Earthの3Dモデルが合わさって、津波で浸水した街の風景が現れる、というものです。詳しい方法は田上さんのブログの記事をご参照ください。

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SketchUpで作成した津波の水面モデル(左)とGoogle Earth上に表示された水面モデル(右)

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Google Earthの街並みのモデルには、SketchUpで作った建物も追加できる。するとぐっとリアルな街並みに変身

田上さんは、この津波シミュレーションを展示した動機について「自分の家の前がどうなるかを確認して、避難方法をあらためて考えてもらいたかった」と語ります。

この津波シミュレーションを見た地元の人々からは、「津波高の数値だけではイメージしにくかった街の様子がよく分かった」という意見ももらったそうです。

子どもたちにも大好評で、

 

浸水した街をウォークスルー

 

してあちこちを探検していたそうです。

田上さんは「フリーソフトを使った津波シミュレーションはだれでもすぐにできるので、各地で行われるようになれば」と期待しています。皆さんも自分の家の前がどうなるのかを試してみてはいかがでしょうか。

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