BIMとも連携!歩くだけで周囲を3D計測できる「Robot Eye Walker 4D」
2013年12月24日

管理人のイエイリです。

既存の街並みや建物を3D計測するシステムとしては、3Dレーザースキャナーをクルマに積んで街路全体を3D計測する「MMS(モービル・マッピング・システム)」や、などが知られています。

しかし、どちらのシステムもかなりの重量があり、クルマや台車に搭載して使う必要があったため、室内や階段のある通路などの計測は難しいという制約がありました。

名古屋市のU's Factoryは、こうした問題を解決する画期的な技術「Robot Eye Walker 4D」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

歩くだけで周囲を3D計測

 

できるシステムなのです。

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歩くだけで周囲を3D計測できる「Robot Eye Walker 4D」の計測機器(左)と計測中の様子(右)(写真・資料:特記以外はU's Factory)

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開発者のU's Factory代表取締役社長の上嶋泰史さん。今年9月、竹中工務店から独立した(写真:家入龍太)

計測装置はほぼ全天全周を撮影できる6台のカメラ、画像処理用のノートパソコン「MacBook Pro」、そしてこれらを操作するための「iPad Air」からなります。これらの装置を落下傘部隊が使うような特殊ハーネスに取り付け、人間が背負います。

そして、3D計測したい室内や通路などを歩き回ると、毎秒16コマの全天全周画像がビデオ動画のように撮影されます。

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イエイリも試しに特殊ハーネスを取り付けてもらいました。装置の重量が体全体に分散されるのでそんなに重く感じません

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1点で撮影した全天全周画像をいろいろなアングルで見たところ。ほとんど死角がなく、周囲の状況をくまなく記録できます

ここまでなら、“歩くグーグルカー”といった感じですが、この全天全周画像は点群データのように、3Dの寸法情報を持っているのです。

その秘密は、各コマの「特徴点」と呼ばれる無数の点を手がかりに、各点の3D座標を計算することにあります。この部分は岩根研究所(札幌市)と提携し、同社が開発した「Map on 3D」の技術を使っています。

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あるビルの室内
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上の室内を「Robot Eye Walker 4D」で計測し、梁や配管などのモデルを入力したもの

全天全周画像が3D情報を持っているため、その上に梁や柱などのモデルを描き込むと、画像と連動してクルクルと回して見ることができます。

そして、さらにスゴイことに、この全天全周画像に描き込まれたモデルは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

BIMソフトに取り込む

 

ことができるのです。

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上記のモデルを「ArchiCAD」に取り込んだところ

室内の3D計測というと、3Dレーザースキャナーを使う方法が一般的ですが、据え付けや計測に時間がかかるのが難点です。しかし、「Robot Eye Walker 4D」なら歩くスピードで階段や小部屋などを含めてスピーディーに3D計測が可能で、既存の建物などの3Dモデルを作成する作業が、相当効率化できそうです。

このシステムについて気になる方は、来年(2014年)1月24日に東京・有明で新製品発表会がありますので、一度、自分の目で見てみられてはいかがでしょうか。

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