大型ダンプも単線道路をスイスイ!鹿島が「すれ違い」管理システムを開発
2015年7月10日

管理人のイエイリです。

山間部のトンネルやダムの工事では、すれ違いが困難な狭い道路を、大型ダンプなどが通行することがよくあります。

狭い区間で大型車両同士が出会うと片方がバックしなければならなかったり、区間の両側に信号を設置して片側通行の管理を行ったりする必要がありました。

鹿島はこうした不便を解消するため、同社が開発した車両運行管理システム、「スマートG-Safe」の機能を強化しました。

これまでも東日本大震災で被災した宮城県石巻市での震災がれき運搬作業などに使われてきたシステムですが、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

大型車両同士のすれ違い

 

をスムーズに行える機能が加わったのです。

大型車両の運転席に設置されたタブレット端末が、単線区間の“信号機”になる(以下の写真、資料:鹿島)

大型車両の運転席に設置されたタブレット端末が、単線区間の“信号機”になる(以下の写真、資料:鹿島)

先に単線区間に入った車両が通行の優先権を持つように自動的に指示が出る

先に単線区間に入った車両が通行の優先権を持つように自動的に指示が出る

大型ダンプなどの運転席にタブレット端末を設置し、その画面が単線区間に進入する際の“信号機”として機能するようになりました。

例えば、対向車が既に単線区間走行中のときには「待機エリアで待機して下さい」といったすれ違い管理メッセージが表示されます。

そのため、工事車両の運転手は「対向車が来ていたらどうしよう」というストレスや、従来の信号のように、対向車がいないときでも赤信号を待つ無駄な時間がなくなります。

交通誘導員とトランシーバーによる管理もいらず、人手不足の時代には助かりますね。

今回、もう1つ加わったのは、「何を」、「いつ」、「どこから」、「どこへ」、「どのくらい」運搬したかを管理する機能です。土砂などの積み込み地点と荷下ろし地点や量などを迅速に自動記録、集計できるので、工事の出来高管理も効率的になりました。

ダンプなどの運行管理日報も自動作成され、そのデータはクラウドサーバーに集約されます。いつでも走行履歴が確認でき、日報の作成も自動化されるので、運転手の負担も軽くなりました。

土砂などの積み込み地点、荷下ろし地点や量などを自動的に管理できる

土砂などの積み込み地点、荷下ろし地点や量などを自動的に管理できる

工事車両ごとの運行管理日報も自動作成される

工事車両ごとの運行管理日報も自動作成される

これらの新機能は、大分市で鹿島・竹中土木・三井住友JVが施工中の大分川ダムの堤体建設工事で導入され、17台の大型ダンプの運行管理に使われています。
さらに、運行速度や待機時間などのデータを元に、輸送作業の効率を低下させる

 

ボトルネックを把握

 

し、運行計画を改善するといったことまで行っています。

ここまでいくと、工事現場のサプライチェーンマネジメントの域に達していますね。作業効率の向上だけでなく、安全性や環境負荷低減などにも貢献しそうです。

大分川ダム堤体工事の現場事務所に導入されたシステム。ダンプの運行状況が一目瞭然だ

大分川ダム堤体工事の現場事務所に導入されたシステム。ダンプの運行状況が一目瞭然だ

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