構造データを鉄筋加工図に!竹中工務店が「鉄筋BIM」を特許出願
2015年11月2日

管理人のイエイリです。

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物を造るとき、1本1本の鉄筋がどのように配置されるのかは、鉄筋工事会社が納まりを検討し、加工図を作るまではわからないというのが一般的でした。

そこで竹中工務店は、3Dで鉄筋の納まり検討や、鉄筋加工図や加工帳の作成を行える「鉄筋BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフト~RC一貫生産支援システム」(以下、RCS)を開発しました。

鉄筋配置の元データとなるのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

構造計算時のデータ

 

なのです。

「鉄筋BIMソフト~RC一貫生産支援システム」で作成した柱・梁の接合部の鉄筋3Dモデル(以下の資料、写真:竹中工務店)

「鉄筋BIMソフト~RC一貫生産支援システム」で作成した柱・梁の接合部の鉄筋3Dモデル(以下の資料、写真:竹中工務店)

指定部の平面図や断面図と3Dモデルを一覧表示できる

指定部の平面図や断面図と3Dモデルを一覧表示できる

構造計算時に作成するデータには、鉄筋の計や本数などが入力されています。

設計段階では、このデータを生かし、柱と梁の接合部における鉄筋を3Dでモデル化し、鉄筋の干渉による施工の手戻りを防ぎます。

また、施工段階では工事担当者が鉄筋コンクリート躯体の施工図と突き合わせて、鉄筋納まり検討図を作ったり、鉄筋工事の施工計画を立てたりします。

そして鉄筋工事を行う協力会社は、RCSを使って鉄筋1ごとに長さや継ぎ方、形状などを示した加工図や、鉄筋集計を行う加工帳を作ります。

施工段階での鉄筋工事打ち合わせに活用

施工段階での鉄筋工事打ち合わせに活用

鉄筋組み立て時の加工図も作成できる

鉄筋組み立て時の加工図も作成できる

これまで構造計算のデータを使って、簡単に鉄筋の納まり検討から加工図・加工帳の作成までを行えるBIMソフトはありませんでした。

そこで、竹中工務店では

 

RCSの特許を出願

 

しました。

RCSはすでに大阪、京都、神戸の事務所や教育施設など9件の関西でのプロジェクトに活用されていますが、今後は設計・施工一貫プロジェクトを中心に全国で展開していく方針です。

また、将来的にはRCSのデータを生かして鉄筋の自動加工や設計監理者の検査業務での活用や、設備BIMソフトと連携させて梁貫通スリーブ位置の検討などの活用も考えているとのことです。

いよいよ鉄筋工事の設計・施工で、本格的なIT導入が始まりそうです。今後の発展が楽しみですね。

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