管理人のイエイリです。
大容量の3Dモデルを軽快に扱える技術として、ラティス・テクノロジーの「XVL」は定評があります。
建設分野でも、福井コンピュータドットコムが4月にオープンする建材・設備の「3Dカタログ.com」に採用されるなど、幅広く使われています。
ラティス・テクノロジーは、XVL技術を利用した新ソリューション「XVL Studio Hybrid for MREAL」を開発し、2月22日にキヤノンITソリューションズから発売しました。
これまでの3Dモデルに加えて、既存の建物や設備を3Dレーザースキャナーで計測した点群データも含めた仮想空間の中を
ナ、ナ、ナ、ナント、
実物大でウオークスルー
することができるのです。
このシステムを使うと、既存の工場設備の横に新しい設備を置いたときの作業員の動きや安全性を、未来の工場にいったような感覚で検証することができます。
ヘッドマウントディスプレーを着けて、この仮想空間を見ると、まるでその世界に入り込んだかのような没入感が味わえます。
例えば頭を左に向けると左の景色が、上を向くと天井が見えます。
そして、設備の足場を上ると、眼下に広がる工場が見えます。仮想の手すりごしに下をのぞき込むと、どのくらいの高さなのかが実感できます。
さらに実感的なのが、現実と仮想空間の融合です。AR(拡張現実感)で使われるマーカーを張り付けた荷物を積んだ台車を用意しておくと、それと同じ大きさの台車が目の前に映し出されます。
実物の台車の取っ手と、仮想の台車の取っ手は、同じ高さ・大きさで見えるようになっており、仮想の取っ手をつかむと
実物の感触や重さ
を感じることができるのです。
まさに現実と仮想が融合した世界ですね。
そして実物の台車を押していくと、目の前には工場の床や障害物となる柱の補強材などが見えて、どれくらいの余裕で台車が通過できるのかを、本物の建物に行ったかのように体感できます。
気になるお値段ですが、ライセンス定価が600万円(税別)、年間保守価格が120万円(同)となっています。
ちょっと高いと感じる人もいるかと思いますが、こうしたシステムで工場設備を検証してから工事すると、効率や安全性の高い設計ができるので、かえって安上がりかもしれませんね。