管理人のイエイリです。
最近、世界各地で3Dコンクリートプリンターを使った建物の建設技術が開発されています。建物の壁を、等高線を描くように生コンクリートを積み上げながら、躯体を作っていく方法です。
オーストラリアのファーストブリック・ロボティクス社(FBR)は、これと似たような方法で建物をスピーディーに建設するロボット「ハドリアンX(HADRIAN X)」を開発しています。
ただ、“造形材料”として使っているのは生コンクリートではなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
レンガを壁に沿って積み上げ
て、住宅などの躯体を作る方法なのです。
ロボットには建設現場をまたぐような巨大なアームが搭載されており、その先端には様々なサイズのレンガを吊り扱えるロボットアームが付いています。
レンガに接着剤を塗ってはひっくり返し、1個ずつ丁寧に現場に積み上げていく仕組みです。
長いアームはしなりやすいので、単にアームの角度や伸びだけでは先端での位置決め精度が問題になります。
そこで現場にはレーザー発信器を設置し、ロボットアームの先端に取り付けた受信器によって「絶対座標」を確認しながら、0.5mmの精度でレンガを積めるようになっています。
窓やドアなどの開口部やはりは、3Dコンクリートプリンターと同様に上部に別の部材を「橋渡し」するように設けて、その上にレンガを積み上げていきます。
上記は完成時のイメージですが、FBRのサイトを見ると、実機の開発も順調に進んでいるようです。
アーム上をベルトコンベヤーのようにしてレンガを次々と送りながら、のり付けしては積んでいく実験映像が公開されています。
このロボットを使うと1軒の住宅の躯体が
わずか2日間で完成
するとのことです。
FBR社では3次元CADソフト「Solidworks」用のアドオンソフトを開発中です。建物の3Dモデルデータを、このロボット用に変換して、レンガ1個ずつの位置や角度、サイズなどを算出できるようにするそうです。
3Dコンクリートプリンターで作った住宅に比べると、外観もスマートなので、先進国の現場にも受け入れられやすいかもしれませんね。
レンガ積みロボット「ハドリアンX」のプロモーションビデオ