2日で躯体完成!超高速レンガ積みロボットを豪FBR社が開発中
2016年10月27日

管理人のイエイリです。

最近、世界各地で3Dコンクリートプリンターを使った建物の建設技術が開発されています。建物の壁を、等高線を描くように生コンクリートを積み上げながら、躯体を作っていく方法です。

オーストラリアのファーストブリック・ロボティクス社(FBR)は、これと似たような方法で建物をスピーディーに建設するロボット「ハドリアンX(HADRIAN X)」を開発しています。

開発中の「ハドリアンX」の外観イメージ(以下の写真、資料:Fastbrick Robotics)

開発中の「ハドリアンX」の外観イメージ(以下の写真、資料:Fastbrick Robotics)

ただ、“造形材料”として使っているのは生コンクリートではなく、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

レンガを壁に沿って積み上げ

 

て、住宅などの躯体を作る方法なのです。

ロボットには建設現場をまたぐような巨大なアームが搭載されており、その先端には様々なサイズのレンガを吊り扱えるロボットアームが付いています。

レンガに接着剤を塗ってはひっくり返し、1個ずつ丁寧に現場に積み上げていく仕組みです。

レンガをセットするイメージ

レンガをセットするイメージ

現場に1個ずつ、レンガを積み上げていくイメージ

現場に1個ずつ、レンガを積み上げていくイメージ

長いアームはしなりやすいので、単にアームの角度や伸びだけでは先端での位置決め精度が問題になります。

そこで現場にはレーザー発信器を設置し、ロボットアームの先端に取り付けた受信器によって「絶対座標」を確認しながら、0.5mmの精度でレンガを積めるようになっています。

ロボットアームの先端に取り付けたレーザー受信器によって高精度な位置決めが可能

ロボットアームの先端に取り付けたレーザー受信器によって高精度な位置決めが可能

窓やドアなどの開口部やはりは、3Dコンクリートプリンターと同様に上部に別の部材を「橋渡し」するように設けて、その上にレンガを積み上げていきます。

完成間近な住宅の躯体イメージ。開口部の上は別の部材で橋渡しし、その上からレンガを積んでいる

完成間近な住宅の躯体イメージ。開口部の上は別の部材で橋渡しし、その上からレンガを積んでいる

上記は完成時のイメージですが、FBRのサイトを見ると、実機の開発も順調に進んでいるようです。

アーム上をベルトコンベヤーのようにしてレンガを次々と送りながら、のり付けしては積んでいく実験映像が公開されています。

実機による作業。レンガにのり付けしているところ

実機による作業。レンガにのり付けしているところ

レーザーによる位置決め

レーザーによる位置決め

次々とレンガを積んでいくマシン

次々とレンガを積んでいくマシン

このロボットを使うと1軒の住宅の躯体が

 

わずか2日間で完成

 

するとのことです。

FBR社では3次元CADソフト「Solidworks」用のアドオンソフトを開発中です。建物の3Dモデルデータを、このロボット用に変換して、レンガ1個ずつの位置や角度、サイズなどを算出できるようにするそうです。

3Dコンクリートプリンターで作った住宅に比べると、外観もスマートなので、先進国の現場にも受け入れられやすいかもしれませんね。

レンガ積みロボット「ハドリアンX」のプロモーションビデオ

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