管理人のイエイリです。
数多くの関係者が連携して、仕事を行う工事現場では、現場の写真を撮ったうえ、作業指示を行う場面が多くあります。
例えば、管理項目の多い大規模病院の新築工事などでは、工事写真の枚数は、数万枚にも達するそうです。
その写真は「建物内のどこで、どっちの方向を向いて撮ったのか」「写っているもののどれをどう作業すればいいのか」といった意思伝達を行う手間ひまだけでも、相当なものになりますね。
そこで竹中工務店は、タブレット端末と現場内で位置情報を伝える「iBeacon」という無線発信器を使って、作業指示を効率的に行えるシステム「位置プラス写(しゃ)」を開発しました。
※iBeaconについては2016年2月17日の記事を参照
現場で写真を撮るだけで
ナ、ナ、ナ、ナント、
図面上に撮影位置と向き
を自動的にプロットし、一括管理してくれるのです。
例えば、ある部屋の壁などに「下地補強」をしてほしい場合を考えてみましょう。これまではデジタルカメラで写真を撮り、図面を切り張りして場所を表し、作業内容を文章で表現するといった方法で行っていたので、大変、手間がかかっていました。
ところが、「位置プラス写」を使うことで、現場で写真を撮るやいなや、図面上に矢印と「下地補強」とメモするだけで、作業指示が完了してしまうのです。
工事写真に欠かせない黒板は、画面上に「電子黒板」が表示され施工日時や場所、状況などの情報を写真上に合成できるので、黒板を持って立っている係の人もいりません。
そして、位置が自動的に図面上にプロットされるので、ヒューマンエラーが解消されるほか、写真と図面を1枚の画像に結構して一括管理することもできます。
その結果、従来のデジタルカメラと紙図面を使って作業指示を行う方法に比べて、作業指示にかかる時間は
ナ、ナ、ナ、ナント、
43%も削減
できたそうです。
また、現場の作業効率を高めるツールとして注目されつつあるタブレット用の野帳アプリに比べても、作業時間は33%削減できたそうです。
数万枚もある写真に、これだけの作業時間削減が実現できれば、工事全体では相当な時短になることが想像できますね。
現場最前線で活躍するタブレットのアプリ間でも、時短競争時代に突入したようです。こうした地道な努力が、建設業の生産性向上を少しずつ実現しているのでしょう。