管理人のイエイリです。
橋の架け替え工事などでは、クレーンで橋桁を撤去したり、新しい橋桁を載せ替えたりする作業がよく行われます。
ただ、交通量の多い都市部の場合は、夜間に道路や鉄道を通行止めにできる限られた時間で行う必要があり、トラブルや手戻りは絶対に許されません。
そこで安藤ハザマと東電設計は、クレーンで橋梁撤去や架設を実際に行う前に、現地の状況とクレーンの動きを精密に再現できる3Dシミュレーションツールを開発しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
点群空間内でクレーン作業
を最初から最後まで行うことで、思わぬ干渉などを事前に発見することができるのです。
このツールは、3Dレーザースキャナーで計測した現場の点群データで現場を再現。その中でクレーンや橋桁の3Dモデルを使って、橋桁を持ち上げたり、クレーンを旋回させたりと、実際の手順通りに作業を行うことができます。
クレーンの操作は、操作パネル上の「トラックボール」によってオペレーターが操作するような感覚で簡単に行えます。
クレーンの動きは、自動的に記録され、いつでも再現できるほか、うまくいかなかった場合には途中で修正することもできます。
このツールは、東電設計が開発した3次元建機シミュレーター「3D建機ナビ」を使って開発されました。
こうしてシミュレーションしている間に、クレーン後方の
カウンターウエイトと電線
が接触するという、思わぬ干渉が発生した場合、赤でハイライト表示される仕組みになっているのです。
カウンターウエイトは、吊り荷重によって大きさが変わり、電線も道路の図面には載っていない場合もあります。クレーンが旋回する途中で両者がぶつかることは、図面だけの検討だと見落としてしまいがちですが、点群データなら図面に載っていない電線も3Dでしっかりと検討の俎上(そじょう)に載せられるので安心ですね。