マシンから材料、施工まで!3Dプリンター施工の専門会社がオランダに登場
2018年1月30日

管理人のイエイリです。

欧米や中国などで、「3Dコンクリートプリンター」と呼ばれる巨大な3Dプリンターを使って、実際の建物や橋を建設する取り組みが活発に行われています。

オランダ・アムステルダムの南東約80kmに位置するサイビー・コンストラクション(CyBe Construction)社もその一つ。当サイトでも打ち込み型枠を3Dプリンターで造形したり、自走式の3Dコンクリートプリンター車を開発したりといった先進的な取り組みを紹介してきました。

あれから約1年、同社のウェブサイトを再度、確認したところ大変なことになっていました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3Dプリンターによる建設

 

のソリューションを総合的に提供する企業へと進化していたのです。

サイビー・コンストラクションが開発した自走式3Dコンクリートプリンター「Cybe RC 3Dp」(以下の写真、資料:Cybe Construction)

サイビー・コンストラクションが開発した自走式3Dコンクリートプリンター「Cybe RC 3Dp」(以下の写真、資料:Cybe Construction)

まずは3Dコンクリートプリンターですが、固定式の「Cybe R 3Dp」と、クローラーを備えた自走式の「Cybe RC 3Dp」があります。

これらのマシンを使って、工場での部材造形のほか、施工現場での“出張造形”もできるようになっています。

例えば、2017年5月にドバイで建設した「R&Drone Laboratory」では、テントで覆った現場に自走式の3Dコンクリートプリンターを持ち込み、その場で壁面など様々な部材を造形することによって部材の輸送コストを抑えました。

ドバイに建設された「R&Drone Laboratory」

ドバイに建設された「R&Drone Laboratory」

テントで覆われた現場内で造形する自走式3Dコンクリートプリンター

テントで覆われた現場内で造形する自走式3Dコンクリートプリンター

オランダ・ハールレムでは、現場でコンクリート製ベンチ5台を造形しました。1台の造形にかかった時間はわずか35分だったそうです。

3Dコンクリートプリンターで造形したベンチ

3Dコンクリートプリンターで造形したベンチ

また、造形材料も「サイビー・モルタル(CyBe Mortar)」という3Dコンクリートプリンター専用の製品を用意しています。

型枠なしで壁を造形しやすいように、初期凝結は約3分で始まり、約5分後には固まっているというスピーディーな材料です。5時間後の圧縮強度は15N/mm2、28日強度は45N/mm2と、

 

高強度コンクリートのレベル

 

となっています。

3Dコンクリートプリンター専用のサイビー・モルタル

3Dコンクリートプリンター専用のサイビー・モルタル

同社はこのほか、3Dモデルによる建物などの設計やプロジェクト管理、教育訓練、セミナーなど3Dコンクリートプリンターによる建設に関する総合的なソリューションを用意しています。

3Dコンクリートプリンター関連の様々なソリューションを用意

3Dコンクリートプリンター関連の様々なソリューションを用意

オランダでは先日、3Dコンクリートプリンターによる世界初の自転車橋の建設が行われたほか、アムステルダムの運河にかかる鋼橋の建設も進行中です。

オランダはまさに、「建設界の3Dプリンター王国」と言っても過言ではありませんね。

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