現場のIoT化を視野に!デジタル野帳「eYACHO」の情報共有機能が進化
2018年2月16日

管理人のイエイリです。

MetaMoJiが大林組と共同開発したデジタル野帳「eYACHO for Business」は、工事現場で発生する様々な施工管理情報を、iPadやWindowsタブレットに手書き文字や写真、音声などでスピーディーに記録できるツールとして導入現場が増えています。

従来の紙ベースの仕事に比べると、野帳や図面、カメラ、黒板などを持ち運ぶ代わりに、iPadなどの携帯端末1台で施工管理業務を行えます。

そのため、図面1カ月くらい使いこなすと「もう、紙の野帳には戻れない」という人が出てくるくらいです。

2018年2月15日、東京でその最新版となる「eYACHO for Business 4」(以下、eYACHO)の記者発表会が行われました。

「eYACHO for Business 4」の記者発表会で。左から説明するMetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣氏、代表取締役専務の浮川初子氏、eYACHO営業部部長の今西信幸氏(写真:特記以外は家入龍太)

「eYACHO for Business 4」の記者発表会で。左から説明するMetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣氏、代表取締役専務の浮川初子氏、eYACHO営業部部長の今西信幸氏(写真:特記以外は家入龍太)

今回のバージョンアップにより、eYACHOの機能は野帳を電子化するという範囲を超えて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

元請けと協力会社の連携

 

ツールへと、野帳の機能が進化したのです。

JVと協力会社とのデータ連携イメージ(以下の資料:MetaMoJi)

JVと協力会社とのデータ連携イメージ(以下の資料:MetaMoJi)

eYACHOに入力したデータや手書きメモは、クラウドサーバーによって他のプロジェクト関係者と瞬時に情報共有が行えます。今回のバージョンでは、元請け会社だけでなく協力会社まで情報共有の範囲が広がりました。

そのため、元請け会社は協力会社を含めて現場で起こっていることを隅々まで把握し、情報をフィードバックすることができるようになりました。

例えば、各企業の「TODOリスト」をまとめて閲覧したり、協力会社や現場監督ごとに指示を出したりといったことができるようになりました。

協力会社を含めて現場の隅々まで、情報の把握とフィードバックに使えるようになった

協力会社を含めて現場の隅々まで、情報の把握とフィードバックに使えるようになった

そして、従来の写真に加えて動画も文書などに張り付けて、メモを記入することもできるようになりました。図面と動画を同時に張り付けて作業時の安全管理を指示するといったこともできます。

動画と図面などを一緒に張り付け、手書きメモで説明する、といったことも可能に

動画と図面などを一緒に張り付け、手書きメモで説明する、といったことも可能に

eYACHOを通じて入力されたデータを、他のシステムと連携させる機能も加わりました。例えば、DropboxやGoogle Drive、CheX(チェクロス)などのストレージや、CSVファイル通じて他のシステムと入出力するすることができます。

他のシステムとの連携機能も充実

他のシステムとの連携機能も充実

このほか業務に特化した入出力画面を簡単に作れる開発環境や、不正アクセス検知機能なども充実が図られています。

これらの機能は、共同開発者である大林組のニーズに基づいて開発されてきましたが、大林組グローバルICT推進室 副部長の 堀内英行氏によると「開発してほしい機能は、ほぼそろった」ということです。今回のバージョンでかなり完成度が高まったようですね。

 

大林組グローバルICT推進室 副部長の 堀内英行氏

大林組グローバルICT推進室 副部長の 堀内英行氏

 

しかし、eYACHOの進化はさらに続きそうです。それは、

 

“現場のIoT化”

 

に対応するツールを視野に入れた開発です。(IoT:モノのインターネット)

MetaMoJi代表取締役社長の浮川和宣氏は記者発表会後に、「今後はAIとの連携も視野に入れている」と語りました。

つまり、現場の最前線で働く施工管理技術者や協力会社の職長さんなどからの情報を、eYACHOを通じてくみ上げることで、現場の動きが見える化されます。

その情報を「ビッグデータ」としてAIなどで解析することにより、これまで不可能だった現場のさらなる改善や生産性向上などが行えるというわけです。

最近、建物や構造物を3次元で設計・施工管理するBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を、IoTのプラットフォームとして生かすビジョンなどを見聞きするようになりましたが、現場で働く人もIoT化の一環として、AIやロボットと協調していく時代が来るのかもしれませんね。

そのとき、eYACHOは現場で働く人の「IoTインターフェース」として機能するのかもしれません。

eYACHOが現場で働く人の「IoTインターフェース」として機能するイメージ(資料:家入龍太)

eYACHOが現場で働く人の「IoTインターフェース」として機能するイメージ(資料:家入龍太)

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