管理人のイエイリです。
鉄筋コンクリート工事では生コンクリートを打設する前に、配筋が設計通りの鉄筋径や間隔、本数で行われているのかをチェックする必要があります。
これまでは、鉄筋径を区別するマーキングやスチール製のスケールスタッフを設置し、鉄筋間隔を一つひとつ計測していく方法だったので、大変な手間ひまがかかっていました。
そこで鹿島は、この作業を省力化するため、日本電気、オリンパスと共同で自動配筋検査システムを開発しました。(鹿島のプレスリリースはこちら)
ナ、ナ、ナ、ナント、
ステレオカメラで鉄筋を3D化
し、鉄筋の径や間隔、本数を自動的に計測してくれるのです。
ステレオカメラは、このシステムのために特別に開発されました。タブレット端末に2台のカメラを組み合わせたものです。
これで鉄筋を撮影すると、タブレット内部で鉄筋の3Dモデルが自動生成され、配筋された鉄筋だけが検出されます。
そしてタブレットの画面上で検査する配筋の範囲を指定すると、鉄筋径のほか間隔の最大・最小値や平均値、本数が一覧表として表示されるのです。計測結果はデータとして記録されます。
例えば、鉄道高架橋工事の場合、このシステムを使うことで、これまで3人で90分がかかっていた準備・計測・検査が、
1人で30分に短縮
されます。
これはかなりの時間短縮になるだけでなく、使用する用具や煩雑な設置作業などがなくなるので、精神的・肉体的な負担も大幅に減りそうですね。
また、目視では気づきにくいミスやヒューマンエラーも排除できるので検査が確実になります。
鹿島らは今後、ステレオカメラやタブレット端末の小型・軽量化を進めるとともに、AI(人工知能)による画像処理の高度化、検査報告書の自動作成機能の開発などを行いながら、土木工事での自主検査に使用して実績を蓄積していきます。
配筋は写真で見ると前後の鉄筋が交錯して見分けるのが大変ですが、ステレオカメラで撮影し3Dデータ化することで、鉄筋を奥行きごとに見分けやすくなるのは大きなメリットですね。
さらにAIの導入によって画像処理が高度化されたり、報告書が自動的に作れるようになったりすれば、現場職員の“助っ人”に進化しそうです。