管理人のイエイリです。
高速道路の所要時間表示板は、ある間隔で設置された「車両感知器」によって計測した車速をもとに、所要時間を計算して表示しています。
しかし、工事などで発生する渋滞区間では、所要時間の把握が難しい場合もあります。
そこで中日本高速道路(NEXCO中日本)は、各クルマが実際にその区間を通過した所要時間を直接計れる新方式を開発しました。
それぞれのクルマを見分ける方法として採用したのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマホのBluetooth
の電波なのです。(NEXCO中日本のプレスリリースはこちら)
ご存じのように、Bluetoothはカーナビやスマートフォン、オーディオ機器、ハンズフリーマイクなどを、ケーブルを使わずに無線で接続するのによく使われています。
各機器にはWi-FiやLANで接続するときに使われる「MACアドレス」という個体識別IDが割り振られています。
そこで、通過時間を計測したい区間の始まりや途中、終わりには、道路脇に受信器を置き、Bluetoothの電波を受信します。すると、クルマに搭載されているカーナビやスマホなどのMACアドレスもわかります。
このMACアドレスのデータを暗号化して、瞬時に道路管制センターに送ることで、同じMACアドレスの通過時刻の差から、所要時間を算出。情報板や簡易LED標識に表示するというわけです。
つまり、MACアドレスを
ナンバープレート代わり
に読み取って、各クルマを区別するのがポイントですね。
Bluetoothという汎用の近距離無線通信規格を使っているので、価格が安く設置や維持管理も簡単に行えます。
このシステムは既にいろいろな工事で施工導入されています。例えば、2014年度以降の東名高速や中央道などの集中工事やリニューアル工事、2017年度以降の横浜町田インターチェンジ出口ランプ工事や圏央道昼夜連続工事です。
スマホ社会ならではの、ナイスなアイデアですね。遊園地のアトラクション待ち時間や、空港のセキュリティーチェック通過時間の表示など、応用性も広そうです。