河川浚渫、維持管理に拡大!2018年度のi-Con基準が明らかに
2018年4月4日

管理人のイエイリです。

2016年度から、建設業へのICT(情報通信技術)導入をリードしている国土交通省の「i-Construction」施策ですが、3年目となる2018年度もさらにパワーアップします。

国土交通省は2018年3月30日、「i-Constructionの深化に向けた基準類の策定」という報道資料を公表し、その内容が明らかになりました。

工種拡大の一つめは、水底の土砂を取り除くICT浚渫(しゅんせつ)工の河川分野への適用です。バックホー浚渫船を使い、測量から検査まで3次元データを活用した施工を導入するものです。

工種拡大(2)「インフラの空間把握(橋梁・トンネル)」の全体イメージ

工種拡大(2)「インフラの空間把握(橋梁・トンネル)」の全体イメージ

水上から見えない河底の地形を確認するために、これまで施工と測深を繰り返して設計に合わせた施工を行っていましたが、新しい基準案では、ICT建機のバケット軌跡記録を使い、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

掘削と出来形管理

 

を同時に行う方法が採用されているのです。

また、発注者による完成検査にも施工履歴データを使うことで、省略されます。

バケットの軌跡データなど施工履歴データにより、完成検査は省略されることに

バケットの軌跡データなど施工履歴データにより、完成検査は省略されることに

工種拡大の二つ目は橋梁やトンネルの維持管理分野です。ここでは将来、ロボットによる点検やAI(人工知能)による変状検知を行うことも視野に入れた基準になっています。

工種拡大(2)「インフラの空間把握(橋梁・トンネル)」の全体イメージ

工種拡大(2)「インフラの空間把握(橋梁・トンネル)」の全体イメージ

CIMモデル上に現場写真を重ねて表示できるようにするため、CIMモデルと同じ座標系で管理することが示された

CIMモデル上に現場写真を重ねて表示できるようにするため、CIMモデルと同じ座標系で管理することが示された

その特徴は、現場の写真をCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデルにひも付けて管理できるようにすることです。当面は土木技術者が写真を見て異常部分を判断します。

さらにこの判断を「教師データ」としてAIのディープラーニング機能に学習させ、将来はAIによる損傷抽出などを自動判別されることを目指しています。

このほか、ICT土工・舗装工の技術基準類では、手押し式の3Dレーザースキャナーで点群計測する「地上移動体搭載型レーザースキャナーによる出来形管理要領(案)」などが新設されました。

手押し式3Dレーザースキャナーによる出来形管理のイメージ

手押し式3Dレーザースキャナーによる出来形管理のイメージ

i-Constructionの中核となるCIMの活用については2018年度から橋梁やトンネル、河川構造物、ダムなどの大規模構造物の詳細設計では、

 

CIMの実施を原則対象

 

とすることになりました。

2018年度のCIM発注方針

2018年度のCIM発注方針

この方針も、将来の運用を視野に入れた要求事項が設定されています。

さらに公共測量分野では、レーザースキャナーを搭載したドローン(UAV、無人機)によって公共測量を行うマニュアル(案)も新設されました。

レーザースキャナーを搭載したドローンで公共測量を行うマニュアル(案)のイメージ

レーザースキャナーを搭載したドローンで公共測量を行うマニュアル(案)のイメージ

これらの基準やマニュアル案には、建設ICTの最新技術が盛り込まれており、技術の進化にスピーディーに対応している姿勢には驚かされます。i-Constructionの「深化」は、ますます進んでいきそうですね。

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