日本設計がオートデスクと提携延長!そして竹中工務店はグラフィソフトと
2018年11月22日

管理人のイエイリです。

このところ、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトベンダーと、建築設計事務所や建設会社との戦略的提携が活発になっています。

2014年9月、日本設計はオートデスクと“次世代BIM”の実現を目指してパートナーシップを締結しました。(詳細は、当ブログ2014年9月9日付の記事を参照

日本設計はオートデスクが同社製品のヘビーユーザーだけに提供しているEBA(エンタープライズ・ビジネス・アグリーメント)という契約形態を日本で初めて導入し、オートデスク製品を何でも好きなだけ使える環境を手にしました。

その結果、BIMソフト「Revit」と他のソフトとの連携、設備設計の自動化など、BIM活用が広がってきました。

あれから早くも4年がたった2018年11月21日、両社は記者会見を開き、パートナーシップを

ナ、ナ、ナ、ナント、

さらに3年間延長

し、BIM活用のレベルアップを図っていくことを発表したのです。

パートナーシップの延長を発表した日本設計代表取締役 社長執行役員の千鳥義典氏(左)とオートデスクのシニアディレクター、ルー・グレスパン氏(右)(以下の写真:家入龍太)

パートナーシップの延長を発表した日本設計代表取締役 社長執行役員の千鳥義典氏(左)とオートデスクのシニアディレクター、ルー・グレスパン氏(右)(以下の写真:家入龍太)

今後の3年間で、両社が取り組むテーマは、(1)建物の高品質化・高性能化、(2)BIMワークフローの検討、(3)ビッグデータの活用です。

(1)については、膨大なデータ量が必要となる超高層や大型物件へのBIM活用を進めることや、業界全体でBIM活用が遅れている電気設備設計への対応、エネルギーシミュレーションなどの高精度化、そして省エネ適合判定や建築確認申請などへのBIM活用などに重点を置いて取り組みます。

(2)については、これまでプロジェクトごとに受注者側が作ってきたBIM実行計画者を、発注者と設計者が調整と合意の上で作成するワークフローづくりに取り組みます。これは、日本設計だけではなく、日本の業界全体でのガイドラインを作りたいとのことです。

(3)については、オートデスクの様々なソフトや技術、データ処理などをクラウドサービスとして利用できる開発プラットフォーム「Forge(フォージ)」の活用によって、ビッグデータ活用を進めていきます。

握手するグレンスパン氏と千鳥氏

握手するグレンスパン氏と千鳥氏

記者会見には多くの報道陣が集まった

記者会見には多くの報道陣が集まった

日本設計は、オートデスクの製品が“使い放題”となるEBA契約にかなりの額の投資を行っているとのことですが、その分、設計やデザインを自動化する「ジェネレーティブデザイン(Generative
Design)」など、オートデスクの最先端技術を湯水のように使いながらBIM活用を深化できるというメリットがあります。今後の成果に注目していきたいです。

そして、本日(2018年11月22日)、BIM界ではもう一つ、ビッグなニュースが発表されました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

竹中工務店とグラフィソフト

がBIM推進のための戦略的パートナーシップ契約を結んだのです。

竹中工務店大阪本社ビル(左)とグラフィソフトジャパンが入居する東京・赤坂のビル(右)

竹中工務店大阪本社ビル(左)とグラフィソフトジャパンが入居する東京・赤坂のビル(右)

契約は、竹中工務店とハンガリー・ブダペストのGRAPHISOFT SE、グラフィソフトジャパンの間で交わされました。契約期間は2020年12月までとなっています。

その目的は、両社のBIMに対するビジョンを共有・調整し、「ARCHICAD」や「BIMx」、「Solibri Model Checker」などグラフィソフトのBIM製品を、竹中工務店の設計・施工プロセスに合ったツールにしていくため、協力して製品の開発や改善を行うことです。

グラフィソフトは2013年11月に、日建設計との間で同様のパートナーシップを締結し、2018年3月にはさらに5年間の延長を発表しています。(詳細は2018年3月28日付の当ブログ記事を参照

グラフィソフトの本社が建築設計事務所に続いてスーパーゼネコンとも提携したことは、「施工BIM」におけるARCHICADの存在感が今後、一段と高まっていくことが予想されます。

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