ドローンでタンクの板厚を超音波測定!テラドローンが新サービス
2019年3月6日

管理人のイエイリです。

石油やガスなどのタンクの維持管理で、欠かせないのが板厚の管理です。これまではタンクに足場をかけて、人間が超音波センサーなどを使って計測していました。

そのため、足場の設置や撤去に時間やコストがかかるとともに、高所作業の安全管理、検査中の施設稼働停止による損失などの問題がありました。

そこでドローン(無人機)界の世界的ベンチャー企業、テラドローン(本社:東京都渋谷区)は、こうした“お困りごと”を解決する画期的な新サービスをこのほど開始しました。

その名も「超音波板厚検査サービス(UT)」というもので、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドローンで板厚測定

を行ってくれるものなのです。

タンク内を飛行しながら板圧測定を行うドローン(以下の写真、資料:特記以外はテラドローン)

タンク内を飛行しながら板圧測定を行うドローン(以下の写真、資料:特記以外はテラドローン)

総重量約2.5kgのドローンから飛行中に超音波センサー(探触子)をタンク壁面に押し付け、その場で板厚測定を行うものです。

ドローンには3台の高精度カメラが搭載されており、その映像や超音波の反射波(UTグラフ)は、地上のモニターにリアルタイムで見られるようになっています。

タンクの材質はカーボンやステンレス、アルミなど幅広く対応できます。

ドローンから地上のモニターに送られてきた映像

ドローンから地上のモニターに送られてきた映像

超音波の反射波の波形を示す「UTグラフ」

超音波の反射波の波形を示す「UTグラフ」

この新サービスが実現したのは、単に超音波センサーをドローンに積んだだけではありません。

超音波センサーで板厚を測定するときには、センサーと計測する物体の間に「接触触媒(カプラント)」という液体を塗る必要があります。

超音波センサーで板厚を測定する原理。センサーと板の間に「接触触媒」を塗る必要がある(資料:家入龍太)

超音波センサーで板厚を測定する原理。センサーと板の間に「接触触媒」を塗る必要がある(資料:家入龍太)

1カ所計測するたびに、ドローンを下ろしてカプラントをセンサーに塗るという作業を行っていたら、いつまでたっても終わりそうにないですね。

そこでドローンには、同社が特許を取得した

ディスペンサーが搭載

されており、飛行中にセンサーにカプラントを供給できるようになっています。

今後はさらなる安全性の向上や点検作業の効率化を目指すとともに、自動飛行システムの開発も行っていくそうです。

テラドローンは今、世界中のドローン関連企業と提携したり買収したりと、グローバルに事業を拡大しています。同時に、こうした現場のニーズに合った技術開発も進めています。

日本企業の常識を打ち破ったパワーとエネルギーには、脱帽です。

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