点群からレンダリングまで!DWG互換CADが3次元CADへと進化してきた
2019年3月28日

管理人のイエイリです。

「DWG互換CAD」と呼ばれるCADソフトは、業界標準と言われるAutoCADの「DWG形式」のファイルを読み書きできる低価格のCADとして、ここ数年、人気を集めています。

ドイツ・ベルリンに本拠を置くグレバート社(Graebert GmbH)が開発・販売する「ARES」シリーズも、有力なDWG互換CADの一つです。デスクトップ用の「ARES Commander」を中心に、タブレットやスマートフォン上で動作する「ARES Touch」、クラウド上で動作する「ARES Kudo」で構成されています。

DWG互換CAD、ARESシリーズ(以下の資料:Graebert Japan)

DWG互換CAD、ARESシリーズ(以下の資料:Graebert Japan)

このARESシリーズの最新版、「ARES 2019」シリーズの日本語版が2019年4月1日に発売されることになり、昨日(3月27日)、東京・銀座でプレス発表会がありました。

東京・銀座で開催されたプレス発表会で。左から日本法人のGraebert Japanの千葉浩氏、同・代表の江端陽二氏、Graebert社CTOのRobert Graebert氏、同・セールス・マーケティング担当役員のCedric Desbordes氏(写真:家入龍太)

東京・銀座で開催されたプレス発表会で。左から日本法人のGraebert Japanの千葉浩氏、同・代表の江端陽二氏、Graebert社CTOのRobert Graebert氏、同・セールス・マーケティング担当役員のCedric Desbordes氏(写真:家入龍太)

DWG互換CADと言えば、2D図面の閲覧や簡単な修正を行うのに使われることが多いため、もはや目新しい進化もないのではと思っていた私は、プレス発表会に出て驚きました。

メインとなる「ARES 2019 Commander」には、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

3D点群の読み込み・編集

 

機能が追加されることになったのです。

ARES 2019 Commanderに読み込んだ3D点群データ

ARES 2019 Commanderに読み込んだ3D点群データ

近日、発表予定のプラグインソフト「UNDET Point Cloud for ARES Commander」をインストールすると、数百万点の点群データを読み込み、断面を切って見るなどの編集が行えます。対応する点群のファイル形式は、十数種類に対応しています。価格は毎年、使用料を払う「サブスクリプション」方式で、「年間6万円程度」で提供する予定とのことです。

DWG互換CADというと、2次元CADと思いがちですが、ARESシリーズは内部で3次元データを持つ仕組みになっていたため、「ARES 2017」から3次元CAD機能を備えています。

このほか、近く提供予定のプラグイン「Maps for ARES Commander」は、公共座標系を持った地図データを読み込めるものです。ESRI社のGIS(地理情報システム)ソフト、「ArcGIS」のオンラインベースマップをCADに読み込んで設計などに使えます。ARESシリーズをサブスクリプションで契約すると、このプラグインの使用権が得られます。

「Maps for ARES Commander」プラグインでCADに公共座標系の地図データを読み込んだところ

「Maps for ARES Commander」プラグインでCADに公共座標系の地図データを読み込んだところ

このほか、DWG互換CADとは思えない追加機能としては、3Dモデルから高画質のCG(コンピューター・グラフィックス)画像を作る

 

最新世代のレンダリング

 

用のプラグイン「ARES Render for ARES Commander」も近く、発表の予定です。

光の反射なども再現する「レイトレーシング」と呼ばれる技術にも対応しており、一般のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで作成した3DモデルをDWG形式で書き出し、このプラグインでCGを作成するといった使い方もできます。お値段は年間2万円程度と、これまた低価格になる予定です。

プラグイン「ARES Render for ARES Commander」で作成した高画質のCGイメージ

プラグイン「ARES Render for ARES Commander」で作成した高画質のCGイメージ

「ARESシリーズ」は以前、「JDraf」という名前でGSAやコンピュータシステム研究所が販売していたCADです。このたび、日本での販売会社がGraebert
Japanになったことで、製品の名称も世界と同じ「ARES」になりました。

このほかのDWG互換CADベンダーも、3D機能の充実に努めています。例えば「IJCAD」を展開するシステムメトリックス(本社:名古屋市中区)は、2018年9月から「3次元CADデータ変換サービス」を始めました。

また、「BricsCAD」を展開するビージェーソフト(本社:大阪市淀川区)は、BricsCAD用BIMオプション機能を用意しています。

DWG互換CADは、もはや2次元CADの機能だけでなく、3次元CADとしての機能も注目されはじめたようです。

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