管理人のイエイリです。
建築現場では、高所作業車やフォークリフトなどの機器から、脚立のような道具まで、多種多様な資機材が利用されています。
次の作業にとりかかるとき、必要な道具が現場のどこにあるのかを探し回ってムダな時間を使ってしまった、というのはよくありそうですね。
そこで、鹿島はマルティスープ(本社:東京都千代田区)と共同で、現場用のリアルタイム資機材管理システム、「K-Field(ケイ・フィールド)」を開発しました。
現場のどこに、高所作業車や脚立などがあるのかを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
リアルタイムで見える化
してくれるのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
これさえあれば、どこに何があるのかがすぐわかるので、スピーディーに作業にとりかかれそうですね。
その秘密は、管理したい資機材一つ一つに、小型で安価な「ビーコン」という発信機を取り付け、現場の各階に設置したゲートウェイ(受信機)によって、それぞれの位置を正確に把握できるからです。
把握した位置データは、現場内に構築したWi-Fiネットワークを通じてクラウドに集約し、現場全体の資機材の位置がパソコン画面上に表示されるようになっています。
また、現場の外にいる工事関係車両には、GNSS(全地球測位システム)発信機を取り付けることによって、同様に位置を管理できます。
また、高所作業車の場合は、せっかく場所がわかって取りに行っても、他の作業に使っていたらムダ足になってしまいます。
そこで高所作業車にはマグネットとマグネットセンサーを下の台車と上の作業台にそれぞれ取り付け、作業台が上がっているときは
「使用中」という情報
もわかるようにしました。
(仮称)鹿島伏見ビルの工事現場では、高所作業車や脚立、台車など約150台にビーコンを取り付けて、管理しています。その結果、使わずに放置されている高所作業車はなくなり、資材の有効活用が図られるようになったそうです。
さらに鹿島は、ユニフィニティー(本社:東京都渋谷区) と共同で、現場への資機材の出入りを把握する在庫管理システム「KENLOGI(ケンロジ)」も開発しました。
資機材のレンタル・リース会社が使っている二次元バーコードやRFID(ICタグ)をそのまま現場の管理に使うところがミソです。
パソコンやタブレット端末などからKENLOGIにアクセスし、在庫管理のほか高所作乗車の貸し出し管理や資機材をクレーンでつり上げる「揚重申請」などが行えます。従来の台帳管理に比べて、資機材の運用効率が飛躍的に高まるそうです。
これらの資機材管理システムは、現場で資機材を効率的に活用できるだけでなく、作業員にもビーコンを持たせることで現場のヒト・モノの動きも見える化できます。
鹿島はこれらのデータを今後、トイレや昇降設備、安全設備の効率的な配置にも生かすことも検討しています。
それにしても、工事現場が脚立までも、IoT(モノのインターネット)化していくとは、驚きの進化ですね。