HoloLensかけてトンネル点検!三井住友建設が補修履歴を見える化

2019年3月7日

管理人のイエイリです。

浄水施設や水力発電所などに水を送る導水路トンネルの調査・点検は、内部に照明がなかったり、表面に藻類が繁殖したりしていて、目視ではひび割れや漏水箇所、コンクリート表面の異常などを発見するのが困難です。

照明設備がない暗渠(きょ)の例。ライトを当てても、異常箇所を見つけるのはなかなか難しそうだ(以下の写真、資料:三井住友建設)

照明設備がない暗渠(きょ)の例。ライトを当てても、異常箇所を見つけるのはなかなか難しそうだ(以下の写真、資料:三井住友建設)

表面に藻類が繁殖する導水路トンネルの例

表面に藻類が繁殖する導水路トンネルの例

トンネルの異常箇所として、特に見逃してはならないのは過去に補修した場所がどうなっているのかです。しかし、過去の補修記録があっても、図面と現場を突き合わせて確認するのは手間ひまがかかりますね。

そこで、三井住友建設は、トンネル内を見て回りながら簡単に過去の補修履歴を参照できるトンネル・メンテナンス・ナビゲーションシステム「MOLE-FMR(モール-Field Mixed Reality)」を開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

HoloLensに補修履歴

を入れて、トンネル内部と重ねて見られるようにしたのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら

MRゴーグルの「Microsoft HoloLens」に補修履歴を入れて、トンネル内部と重ねて見られるトンネル・メンテナンス・ナビゲーションシステム「MOLE-FMR」

MRゴーグルの「Microsoft HoloLens」に補修履歴を入れて、トンネル内部と重ねて見られるトンネル・メンテナンス・ナビゲーションシステム「MOLE-FMR」

HoloLensとは、マイクロソフトが開発した半透過型のMR(複合現実)ゴーグルです。これを頭に着けて現場を見ると、その上にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデルが重なって見えます。

トンネル内部の3Dモデル上に過去の補修データを表示したり、リンクしたりしておくと、現場が藻などで覆われていても、補修箇所を“透視”することができるのです。

暗いトンネルの場合も、LEDランタンなどのようにわずかな光源があれば、大丈夫です。

HoloLens用のデータ作成には、インフォマティクスの「GyroEyeHolo」というソフトを使いました。

では、HoloLensで見るもとの補修履歴データは、どのように記録されているのでしょうか。

三井住友建設では、トンネル補修工事データベース「ジェネシスLTR」を独自に開発し、調査・点検記録や施工・補修履歴情報をトンネル内壁の展開図上に登録しています。

トンネル覆工裏側の空洞調査をタブレットPCに搭載した「ジェネシス-LTR」に記録しているところ

トンネル覆工裏側の空洞調査をタブレットPCに搭載した「ジェネシス-LTR」に記録しているところ

このデータベースを

3Dモデルに自動変換

することで、HoloLensで見られるようにしているのです。

トンネル補修工事データベース「ジェネシスLTR」のデータを、3Dモデルに自動変換するイメージ

トンネル補修工事データベース「ジェネシスLTR」のデータを、3Dモデルに自動変換するイメージ

このシステムを静岡県富士宮市内の導水路トンネルの調査・点検で使ったところ、作業時間は半減したそうです。調査・点検の生産性向上に大きく貢献しそうですね。

三井住友建設では、このシステムの利便性をさらに上げて導水路や開水路の補修工事や、道路トンネルなどの維持管理にも使えるようしていく方針です。

そのうち、土木インフラを調査する作業では、みんながHoloLensのようなMRゴーグルを着けているのが常識になるかもしれませんね。

 
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