管理人のイエイリです。
国土交通省が推進する「i-Construction」の対象工事では、盛り土や造成工事の締め固め作業でICT振動ローラーが使われることがあります。
安藤ハザマは、熊本県合志市内で施工中の造成工事でICT振動ローラーを使っていますが、施工中の写真を見るとびっくり。
ナ、ナ、ナ、ナント、
運転席に誰もいない
のです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら)
つまり、締め固め作業を無人で行っているというわけですね。
このICT振動ローラーには自動運転機能を備えています。GNSS(全地球測位システム)や各種センサーを搭載しており、車体の位置や方向、ハンドルの角度などを把握して、自動的に運転を行います。
走行時の直進精度は、前後進とも平均誤差で68mmとベテランオペレーター並みの高さです。
そして、このICT振動ローラーにはもう一つ、画期的な装置が搭載されています。「CCV-飽和度モニタリングシステム」というもので、ローラーに搭載された加速度計で計測した加速度応答値(CCV値)から土の締め固め度を、リアルタイムに測定するものです。
従来のICT振動ローラーは、運転席のモニター画面に「ローラーが通過した回数」を色分け表示するのに対して、このシステムでは、「土の飽和度」がわかるわけです。
安藤ハザマは従来の“工法規定”である「ローラーが通過した回数」だけでなく、「土の飽和度」による品質管理もダブルで行い、すべての施工面で品質が確保できていることを確認しました。
そして、今後の可能性ですが、品質管理を土の飽和度によって行う“性能規定”が導入されたとき、
工期の短縮
につながることも期待できます。
というのは、ローラーが通過した回数による“工法規定”の場合は、常に決められた回数だけローラーを往復させる必要がありますが、“性能規定”の場合は所定の締め固め度に達したところでローラー作業を終了できるからです。
安藤ハザマは複数の建設機械による作業の自動化にも取り組んでいます。土工の生産性はますます上がり、品質管理もしっかり確保できることになりますね。