管理人のイエイリです。
トプコンのレイアウトナビゲーター、「LN-100」という測量機は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルのデータを使って、1人で墨出し作業ができる便利さが買われて、現場でもよく見かけるようになりました。
これまでの使い方は、タブレット端末と墨出し位置を指すプリズム付きの棒が一体化したものを作業者が持ち、画面に示される誘導情報に従って移動し、墨出し点にきたらフェルトペンなどで現場に印を付けるという方法が一般的でした。
ただ、タブレットが結構重いので両手がふさがってしまったり、現場での“歩きスマホ”状態になってしまったりという不便さもありました。
そこでトプコンは、LN-100を使った1人墨出しをさらにスピーディーに行えるオプション「杭ナビVision」を2019年4月に発売しました。
タブレット端末に代わって、
ナ、ナ、ナ、ナント、
スマートグラス
上に、墨出し点までの誘導情報を表示してくれるのです。
そのため、これまで必要だったタブレットの画面と手元のプリズムへの視線の行き来が不要となり、直感的に素早い操作が可能となりました。
プリズム棒自体をしっかりと両手で持てるので、正確で素早いプリズム移動が可能になります。
さらに便利なのは、測定値の記録・次の点などを指示するときは
音声コマンド
を使えることです。
現場で墨出しした座標データなどは、付属のアプリ「杭ナビ帳票」によって作業終了後に即座に現場事務所に送ることができます。
1人墨出しにAR(拡張現実)技術を取り入れたことによって、従来のシステムに比べて墨出しの作業効率は約25%も向上するそうです。
マイクロソフトのARデバイス「HoloLens」を使った墨出しも注目されていますが、LN-100とスマートグラスを使った墨出しは精密に点を設置できるところが強みですね。
BIM/CIMモデルのデータを直接、現場に落とし込むツールとして、今後、活用が広がりそうです。