前進は超音波で!NTTドコモが“羽根のないドローン”を開発
2019年4月22日

管理人のイエイリです。

空撮や監視などで便利に使えるドローン(無人機)ですが、一般的な機種は高速回転するプロペラが付いているので、人やモノが衝突すると危険だったり、プロペラ音がうるさかったりします。

そこで、NTTドコモは画期的なドローンを開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

羽根がないドローン

なのです。(NTTドコモのプレスリリースはこちら

「羽根がないドローン」の飛行風景。人が近づいても安全だ(以下の写真:NTTドコモ)

「羽根がないドローン」の飛行風景。人が近づいても安全だ(以下の写真:NTTドコモ)

気球形のドローン側面には、推力を発生する超音波振動モジュールが左右に搭載されている

気球形のドローン側面には、推力を発生する超音波振動モジュールが左右に搭載されている

写真を見てわかるように、ドローンは直径約90cmの気球形になっており、浮上には内部に充てんされたヘリウムガスの浮力を使います。

そして、前進や方向変換は「超音波振動モジュール」が発生する推力を使い、秒速約20cmで1~2時間の連続飛行が行えます。

超音波振動モジュールの詳しい構造はわかりませんが、同社のプレスリリースには「空気ポンプ」として動作すると書いてあります。

これから想像するに、微少で高速振動する超音波発生器が「ピストン」の役目をし、これと連動する弁を使って空気を小刻みに吸い込んでは吐き出すことを繰り返して、空気流を発生させているのでしょうね。

なんせ、超音波レベルの動作音なので人の可聴周波数を超えており、プロペラのようなうるささは全く感じないでしょう。

前進や方向変換などを行う「超音波振動モジュール」。空気ポンプとして動作する

前進や方向変換などを行う「超音波振動モジュール」。空気ポンプとして動作する

ドローンの用途としてはイベント会場やコンサートホールなどの屋内で飛行させ、広告や道案内などに使うほか、カメラを搭載して空中から監視や警備などに活用することを想定しています。

カメラを搭載すると上空からの監視に使える

カメラを搭載すると上空からの監視に使える

さらには、気球形の本体に

プロジェクションマッピング

を行って、空中に映像を表示する空間演出ソリューションの提供も検討しているとのことです。

気球にプロジェクションマッピングを行った例

気球にプロジェクションマッピングを行った例


YouTubeに公開された動画

このドローンは2019年4月27日~28日に幕張メッセで開催される「ニコニコ超会議2019」の「日本電信電話ミカカランド・NTT超未来研究所6」(開催エリア:HALL 2-A10)に出展され、操縦デモも行われるそうです。気になる方は次の土日に出掛けてみてはいかがでしょうか。

また、このドローンについての研究成果は、2019年5月4日~9日、英国・グラスゴーで開催される国際学術会議「The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems(CHI 2019)」でも発表されます。海外からも注目を集めそうですね。

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