管理人のイエイリです。
静岡県は、県内の工事で使用された点群データを収集し、無料公開する日本初のオープンデータサイト「Shizuoka Point Cloud DB」を開設・運用し、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を活用するユーザーなどから好評を博しています。(詳細は2018年2月14日付の当ブログ記事を参照)
一方、東京急行電鉄(以下、東急電鉄)は首都高グループと連携して、路面や線路上を移動しながら周囲を点群計測する「鉄道版インフラドクター」や「空港版インフラドクター」を、静岡県内の伊豆急行線や静岡空港で運用し、点群データを活用した保守管理業務の省力化に取り組んでいます。
そこで静岡県と東急電鉄は、両者が所有する3D点群データを
ナ、ナ、ナ、ナント、
相互に利活用
するため、2019年4月15日に「3次元点群データ利活用に関する連携協定」を締結したのです。(東急電鉄のプレスリリースはこちら)
協定を結んだ目的は、「両者が整備する3次元点群データを相互に利活用し、新たな価値の共創を目指すことで、地域の活性化や産業振興、経済発展に寄与し、静岡県の魅力向上に資すること」としています。
今後との取り組みとしては、静岡県が東部や伊豆半島の面的データや県道、東急電鉄が下田市街地の点群データを取得します。
さらに東急電鉄は、この点群データを伊豆急行線などの保守管理の省力化や防災力強化に活用するほか、静岡県をモデルにして観光客を呼び込む映像製作などを行います。
このほか、両者は協力して伊豆観光型MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)プロジェクトを推進します。
伊豆観光型MaaSとは、伊豆半島には多くの鉄道やバス、タクシーといった公共交通機関がありながら、大多数の観光客がクルマを利用しているため、公共交通機関の活用を促進する取り組みです。
その一環として、2019年秋には点群データを利用して下田市内で、
クルマの自動運転実験
も行う予定です。
バスなどは路線がわかりにくく、乗り方や料金の支払い方がバラバラなため、「面倒くさい」という理由で利用しにくいことが多々ありますが、アプリで情報をわかりやすくし、料金の支払いもできるようにすれば、利用に対する心理的な抵抗感はぐっと下がります。
そしてマイカーが減ると道路や駐車場の混雑緩和にもつながるので、伊豆半島でのMaaSの推進は、全国のバス会社なども大いに参考になりそうですね。