管理人のイエイリです。
東京・六本木では、2019年3月から約2年間の期間限定で「EQ Houses」という住宅が一般公開されています。
「未来のモビリティーとリビングのあり方を定義する」というテーマで、メルセデス・ベンツ日本と竹中工務店がコラボレーションして生まれた近未来住宅だけに、設計、施工、完成後の運用には、様々な新技術が導入されています。
例えば、建物の屋根や壁には、様々な形状で穴が開いた鋼板パネルが1200枚も使われています。一見、ランダムに見えますが、年間を通じた採光や太陽光による空調負荷、通風などを
ナ、ナ、ナ、ナント、
コンピュテーショナルデザイン
によって最適に設計した結果なのです。
そのため、1200枚のパネルはすべて異なる形をしているといっても過言ではありません。鋼板の加工には、設計データをレーザーカッターに入力して自動的に切り出し、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル上で、各パネルをどこに取り付けるのかが計画されました。
ここで難しいのは、1枚ずつ違った形をしているパネルを、どうしたら設計通りの位置に間違いなく取り付けられるかです。
この施工管理に、導入されたのは、MR(複合現実)デバイスとして注目されている
HoloLens
だったのです。
竹中工務店が公開しているYouTube動画「竹中工務店 EQ Houses イメージ及び建物概要ムービー」を見ると、各パネルにはQRコードが張ってあり、これをスマートフォンで読み取る様子が紹介されています。
そして、HoloLensを通した映像では、そのパネルが建物のどこに取り付けられるのかが、一目りょう然で分かるようになっているにです。
これまでなら、パネルのラベルに書かれた番号と図面、そして現場を照合しながら作業していたと思いますが、照合ミスが発生するリスクもあります。
その点、HoloLensならパネルの現物と現場をダイレクトにつないで指示してくれるので、間違いようがないですね。
BIMの普及で、これからは曲面を多用したり、非対称だったりする建物デザインが増えてきそうです。そんな時代には、MRデバイスによる施工管理は欠かせなくなりそうです。
竹中工務店 EQ Houses イメージ及び建物概要ムービー