管理人のイエイリです。
鉄筋コンクリート部材を工場で作るプレキャスト(PCa)部材に強い三井住友建設は、グループ会社を含めて全国5カ所に製造工場を持っており、生産性向上に力を入れています。
つい先日も、IoT(モノのインターネット)を活用した次世代PCa生産管理システムの開発に着手したというニュースがありました。(当ブログ2018年12月20日付けの記事を参照)
同社はこのほど、さらなる生産性向上に向けた新しい取り組みを発表しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
鉄筋を自動組み立て
するロボット「Robotaras(ロボタラス)」の開発に着手したというのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら)
開発が行われているのは、佐賀県にある同社の三田川PC工場です。ここでは九州新幹線のレールを支える軌道スラブを約4年間にわたり、約1万2000枚を製造しています。
現在は約20人の作業員が鉄筋を運搬し、型枠内に配置、結束する作業を人力で行っています。しかし、同じ形の軌道スラブの製造は、単純作業の繰り返しとなります。
そこで同社は、この作業を自動化するため、ロボットアームを用いた自動化システムの開発に乗り出しました。
プログラムで動くロボットのアーム先端部に、鉄筋保持治具と市販の鉄筋結束機を自動着脱出来るようにして、鉄筋の配置と結束作業を自動的に行います。
同社は実際の鉄筋配置や結束を模した動作試験を行った結果、このシステムの有用性を確認し、導入にメドをつけました。
このシステムが実用化されると、作業員は鉄筋と結束ワイヤを
ロボットに充てんするだけ
となり、大幅な省人化・省力化が実現できます。
今後はPCa工場の製造ラインへの導入を目指し、このシステムのさらなる開発を進めていきます。将来的には、超高層マンションの主要構造部材や高速道路の大規模更新工事に使われるPCa部材の製造にも活用していく方針です。