管理人のイエイリです。
大林組は2018年、スマートフォンを使って地形や土量などを簡単に測量できるアプリ「スマホ de サーベイ」を開発し、多くの注目を集めました。(詳細は、当ブログ2018年2月23日付の記事を参照)
画期的なアプリですが、対応できるスマホが「赤外線深度センサー搭載」の機種に限られていたため、一般的には使いづらかったという面もありました。
そこで今回、同社はこのアプリのAR(拡張現実)版を開発し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
iPhoneやiPad
で使えるようにしたのです。
従来のバージョンでは、スマホに搭載された赤外線センサーを3Dレーザースキャナーのように使って、対象物を3Dの点群データとして計測していました。
今回の新バージョンでは、iPhoneやiPadに搭載されているAR機能を使って、対象物を認識させている点が違います。
使い方は、1人の作業者がiPhoneなどの画面上に土砂の山などを映しながら、「仮想ポール」を立てて歩くだけです。
するとポール同士が線で結ばれ、その位置での断面図が作成されます。その断面図は画像データとして保存されるため、メールなどで関係者に送付することも機能です。
画面上に8点(上面4点、下面4点)の仮想ポールを立てて測量範囲を指定することで、最大1000m3の土量を計測することが可能です。
そして、計測結果は現場の写真と合成して保存できるので、後から計測箇所を確認することもできます。
従来のトータルステーションや巻き尺による測量では、2人の計測者が必要でしたが、「スマホ de サーベイ AR版」を使うと1人で測量が行えます。
しかも自動的に土量が計算できるので、測量から土量算出までの時間が、従来に比べて
90%以上も短縮
されるのです。
労働生産性の観点で見ると、20倍以上の向上と言えそうですね。
気になる精度ですが、3Dレーザースキャナーとの精度比較実験を行ったところ、誤差は3~5%であることが確認できたそうです。
このアプリは、2019年10月中旬にエム・ソフト(本社:東京都台東区)を通じて発売されます。使ってみたい方は試してみてはいかがでしょうか。