管理人のイエイリです。
建物のリニューアルやリノベーション工事では、既存建物を3Dモデル化しておくと、工事関係者間での情報共有や打ち合わせ、合意形成などをスムーズかつ正確に行えます。
しかし、3Dレーザースキャナーで計測した点群や、各部分の寸法計測結果から、現況BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を作成するのは、大変な手間ひまとコストがかかります。
そこで大成建設は、既存建物の3Dモデルを効率的に作成し、簡単に共有できるサービスを開始しました。
3Dモデル作成に使う機器は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3D赤外線スキャンカメラ
なのです。(大成建設のプレスリリースはこちら)
この3D赤外線スキャンカメラは、米国カリフォルニア州サニーベールに本拠を置くマーターポート社(Matterport)製のもので、4K画像合成クラウドを使って建物の3Dモデルを作成します。
マーターポート社のウェブサイトによると、このカメラを使って作成した3Dモデルの精度は、3Dレーザースキャナーには及ばないものの、1%以内とのことですからかなり詳細な検討にもたえられそうです。
大成建設は、この3Dモデルを使って既存建物内の「3Dウォークスルー」を行って現場に行かなくても現場の細部を確認できるようにするほか、完成BIMモデルと融合させて設計・施工の事前検証を行う「プレコンストラクションサービス」などに活用します。
さらにVR(バーチャルリアリティー)やAR(拡張現実)などの技術で、現場を実寸大で立体視しながら設計内容をリアルに確認する作業にも活用します。
大成建設はこれまでに、施工中の建物や既存建物について、
約30件の3Dモデル化
を行い、性能などの検証を行った結果、企画、設計から施工、維持管理の各建設プロセスで、打ち合わせ時間の削減などの有効性を確認しました。
今後、大成建設は既存建物や伝統建築物、竣工建物の3Dモデル化を進め、顧客との打ち合わせや会議などを含め、適用範囲の拡大を目指していくとのことです。
現場を3Dモデル化しておくことで、「移動のムダ」「現場を何度も見に行くムダ」などがなくなり、本格的な生産性向上が実現できそうですね。