5Gで技術者がテレワーク!ARゴーグルかけたドローン操縦者とビル外壁点検
2019年11月20日

管理人のイエイリです。

ビルなど高い構造物の点検に、ドローン(無人機)の活用が進みつつあります。情報通信設備の設計や保守などを行うTKK(本社:仙台市若林区)もその1社です。

ドローンでの点検には、ドローンの操縦技術と、設備点検作業について熟練のノウハウが必要ですが、両方のスキルを兼ね備えた人材は、そう多くありません。

この問題を解決するため、TTKとサン電子(本社:名古屋市中村区)、NTTコムウェア(本社:東京都港区)、スプラッシュトップ(本社:東京都千代田区)、NTTドコモ東北支社(仙台市青葉区)が編み出した方法とは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

5G回線によるテレワーク

だったのです。(NTTコムウェアのプレスリリースはこちら

5G回線を利用したテレワークによる仕組み(特記以外の資料、写真:NTTコムウェア)

5G回線を利用したテレワークによる仕組み(特記以外の資料、写真:NTTコムウェア)

5G回線とはもちろん、2020年春からサービス開始が予定されている「第5世代移動通信システム」のことです。

上記の5社は、2019年11月13日にこの方式を使った遠隔ビル外壁点検の実証実験を仙台市青葉区のドコモ東北ビルで行い、見事、成功しました。

現場でドローンを操縦するTKKのパイロットは、サン電子のARスマートグラス「AceReal One」を着用しました。防じん・防滴仕様でヘルメットにも装着でき、40°の高温環境でも使用できるのが強みです。

このスマートグラスには両目にそれぞれ縦型のシースルーディスプレーが付いており、目の前の風景を直接、目視しながらディスプレーに映る映像を同時に見ることができます。

飛行するドローンを目視しながら、ドローンから送られてくる映像や、管制センターから送られてくる作業現場への指示、マニュアルなどを同時に参照することができます。

スマートグラスにカメラ映像や様々な情報を表示するソフトには、NTTコムウェアの「KnowledgeMap xR」を使用しました。

ARスマートグラスを着用したドローンパイロット

ARスマートグラスを着用したドローンパイロット

ARスマートグラス「AceReal One」。両目に縦型シースルーディスプレーが付いている(資料:サン電子)

ARスマートグラス「AceReal One」。両目に縦型シースルーディスプレーが付いている(資料:サン電子)

ドローンパイロットの“目線映像”やドローンからの映像などは、5G回線で管制センターに送られます。

管制センターにいる点検熟練者は、遠隔地から送られてくる映像などをリアルタイムに見ながら、

ビルの点検作業に指示

を出すことができます。

管制センターにいる点検熟練者は、遠隔地から送られてくるリアルタイムの映像を見ながら、ビルの点検作業に指示を出す

管制センターにいる点検熟練者は、遠隔地から送られてくるリアルタイムの映像を見ながら、ビルの点検作業に指示を出す

作業者視点の映像

作業者視点の映像

Splashtopにより遠隔地に伝送されたドローン目線の映像

Splashtopにより遠隔地に伝送されたドローン目線の映像

この実験でNTTドコモは5Gプレサービスやプレ端末、ドコモオープンイノベーションクラウドを提供しました。

また、ドローンのカメラ映像や作業者視点の映像、飛行データなどを管制センターに送ったり、点検熟練者からの指示を送り返したりするのは、スプラッシュトップのクラウド型リモートデスクトップサービス「Splashtop」を提供しました。

5G回線は、4G回線に比べて通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍となっており、今回のように遠隔地で飛行するドローンを使った作業に参加し、リアルタイムにテレワークできるなどの活用が可能です。

建設業でも、こうした特長を生かして「移動のムダ削減」や「異なるスキルの遠隔コラボ」などにより、様々な生産性向上や働き方改革が期待できそうですね。

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