管理人のイエイリです。
北海道旅客鉄道(JR北海道)では、鉄道トンネル内の検査や点検をこれまで、昔ながらの徒歩と目視で行ってきました。
しかし、迫りつつある労働力不足を考えると、維持管理の効率化が求められます。また、列車が走る線路内に立ち入る作業も、安全性向上の点から少なくしたいところです。
そこで同社はこの夏、ゼンリンデータコムと共同で、画期的な実証実験を行いました。トンネル内で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ドローンを自動飛行
されて、トンネル内部を撮影したのです。(ゼンリンデータコムのニュースリリースはこちら)
この実験は、2016年12月に廃線となった阿分トンネル(留萌本線)を使い、2019年8月6日~9日に行われました。
トンネル内をドローンが自動飛行させるうえで問題となるのは、GNSS(全地球測位システム)の電波が使えないことです。
実験では、GNSSを使わずにドローンを自動飛行させてトンネル内を「飛びきる」とともに、ドローンから内壁などを撮影しました。
GNSSが使えない場合、ドローンはレーザースキャナーやカメラの画像認識技術を使って周囲の形状やトンネルの断面形状をリアルタイムに把握し、自分の現在位置を割り出す必要があります。
ゼンリンデータコムは、こうした技術サポートを行っており、今後もJR北海道と共同で技術開発を行う予定です。
そして、将来はドローンで撮影した画像を、
AIで解析
することも検討しています。
ドローンでざーっとトンネル内を撮影し、その写真をAI(人工知能)で解析してひび割れの位置などを一気にデータ化できるようになると、保線作業の生産性は画期的に向上しそうです。
この点検技術が実用化されると、列車のダイヤに混じって、ドローンの飛行ダイヤも組まれることになるかもしれませんね。