管理人のイエイリです。
古い建物に使われていた木材や建具などは、長年の歴史を積み重ねただけあって、独特の雰囲気やぬくもりがありますね。
こうした材料を建築デザインに取り入れ、実際に施工するのは建築家の腕の見せ所でもあります。空き家が増え続け、今後、古い家屋が続々と解体されていくことが予想される今、良質な古材を手に入れるチャンスでもあります。
しかし、同じものは2つとしてない“規格外”の建材だけあって、どこでどんなものが入手できるのかは、各地に点在する古材ショップに行ってみないとわかりません。
そこで水辺総研(本社:東京都渋谷区)は、全国各地の古材を扱う事業者と、古材ユーザーの間を橋渡ししようと、新ビジネス「R-Market」を2020年春にスタートするべく、準備しています。
その事業とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
古材のオンラインショップ
なのです。
いわば、“古材界のメルカリ”のようなサイトで、スマートフォンさえあれば、古材の出品や購入が行えます。サイトでは古材や廃材のほか、古建具なども扱う予定です。
廃材の供給業者向けには「廃材古材在庫管理システム」や「解体現場情報」、ユーザー向けには「全国古材ストック検索システム」を提供します。
このサイトが本格的に動き出せば、全国各地にある古材の中から、気に入ったものを簡単に探し出して、インテリアに使えそうですね。
実はこのプロジェクトは、超有名な工務店が支援しています。
その名は、あのスーパーゼネコン、
竹中工務店
なのです。
R-Marketは竹中工務店が2019年に実施したビジネスプランコンテスト「TAKENAKAアクセラレーター」に応募し、144件のビジネスプランから「優秀賞」に選ばれました。
昨日(2020年1月23日)の夜には、同社の東京本店で古材の活用をテーマにしたイベント「廃材トーク」が開催され、50~60人が参加しました。この中で「R-Market」もお披露目されました。
パネラーとして登壇した東野唯史氏は、長野県諏訪市で古材ショップ「リビルディングセンタージャパン」を経営しています。古材ショップができると近くにはカフェなど、数軒の商業施設がオープンするという効果もあったそうです。
これまで産業廃棄物として、お金をかけて捨てていた古い建物の廃材ですが、解体前にレスキュー(回収)し、ネットで販路が開拓されると古材として新しい価値ができます。
そして、古民家などが多い田舎も“古材のメッカ”として注目が集まり、経済や雇用にプラスの影響を与えるようになります。もちろん、CO2排出削減など、地球環境の改善にも大いに貢献しそうですね。
R-Marketや古材ショップは、いわば究極の“SDGs”ビジネスと言っても過言ではありません。