ゼネコン20社が結集!AIによる3D配筋検査システムを共同開発
2020年3月11日

管理人のイエイリです。

建物や橋などの工事で欠かせないのが、鉄筋が設計通りに組まれているかどうかを確認する配筋チェックです。

鉄筋を組んでからコンクリートを打設する前の短時間に、膨大な箇所の鉄筋の径やピッチ、本数などを調べ、記録に残すのは、これまで人間頼みの仕事でした。

しかし、今後ますます深刻になる人手不足によって、人間に頼った仕事のやり方は行き詰まってしまいかねません。

そこで配筋のチェックや検査を効率的に行える「配筋検査システム」の共同開発が始まりました。

このプロジェクトは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ゼネコン20社が結集

し、スピーディーに完成度の高いシステムを開発するという、前例のないものなのです。(安藤ハザマのウェブサイトにアップされたプレスリリースはこちら

共同開発に参加したのは、次の20社です。スーパーゼネコンは入っていませんが、中堅の大手ゼネコンのそうそうたるメンバーが参加しています。

共同研究参画会社(20社) (五十音順)青木あすなろ建設、淺沼組、安藤・間、奥村組、北野建設、熊谷組、五洋建設、佐藤工業、大末建設、髙松建設、鉄建建設、東急建設、戸田建設、飛島建設、西松建設、日本国土開発、長谷工コーポレーション、ピーエス三菱、松村組、矢作建設工業

 

「配筋検査システム」の実装イメージ(資料:共同研究参画20社)

「配筋検査システム」の実装イメージ(資料:共同研究参画20社)

 

この共同開発では、施工管理者の習熟度によらず、効率的で正確な配筋検査を行うことを目指しています。

システムは、タブレット端末を使って配筋作業の施工支援を行う「配筋チェック機能」と、特殊カメラなどを使って検査効率を改善する「配筋検査機能」の2つの機能を統合したものを目指しています。

検査のもとになる配筋の設計データは、この研究開発で基本フォーマットを検討し、AIエンジンによってデータベース化します。

「配筋チェック機能」は、配筋写真を撮影して、ディープラーニングと画像処理を用いて、配筋の径や本数、ピッチなどを算出します。これは施工時に確認するために使われるものでしょう。

また「配筋検査機能」は、配筋映像を撮影して

3次元的な配筋形状

を自動的に計測。そのデータを検査項目に併せて変換・照合して、配筋検査帳票への自動入力を行います。配筋検査を半自動化することを目指します。

配筋検査を効率的に行うシステムは、ここ2~.3年、スーパーゼネコンを中心に開発が行われており、当ブログでも大成建設鹿島大林組三井住友建設矢作建設工業などがそれぞれ開発したシステムを紹介してきました。

配筋検査は、設計通りに現場が作られているかをチェックする目的で行うものなので、企業間で競争するよりも、むしろ力を合わせて、サクッと開発してしまった方がお得なのかもしれません。

この共同研究では、ゼネコン各社のアイデアを取り入れながら共同で研究開発を推進することで、短期間で高い成果につなぐことが期待されています。

まずは2020年度に「配筋チェック機能」の現場試行を始める予定になっています。昨今のスタートアップ企業的に、開発のスピードも早そうですね。

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