管理人のイエイリです。
大小様々な石(石礫)がころがる自然の渓流も、砂防という観点から石の大きさを測るなどの調査が欠かせません。
ただ、相手が自然の石なので、石をバランスよく選んだり、計測したりという作業は、人力に頼っており、熟練も要します。そのため、迫り来る人手不足時代に、これまでの方法を続けていくのは難しくなってきました。
そこで、オリエンタルコンサルタンツ(本社:東京都渋谷区)とスカイマティクス(本社:東京都中央区)は、渓流調査を大幅に自動化するAI礫判読システム「グラッチェ」を共同開発し、2020年3月9日に一般提供を始めました。
ドローンから渓流を空撮した連続写真をクラウドにアップするだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが石を自動的に発見
し、大きさを自動計測してくれるのです。(スカイマティクスのシステム紹介ページはこちら)
渓流の「石礫調査」で手間がかかることの1つに、石の大きさの“粒径分布”を調べる作業があります。
石をランダムに選んで径を測り、小さい順から径と個数を積み上げてグラフを作るのですが、広範囲に散らばる石を1つ1つ測っていくのは大変な作業です。
この面倒な作業も、このシステムによって自動化することができます。
このほか、通常のドローン測量機能も備えており、
オルソ画像や点群データ
も自動的に作成してくれるのです。
このシステムによって、これまで現場作業で30時間、資料のとりまとめで10時間の計40時間かかっていた作業が、現場作業で10時間、資料のとりまとめで2時間の計12時間と、大幅に短縮されます。
気になるお値段ですが、基本契約が12万円(税別。クラウドストレージ200GB付き)で、従量課金プランとして石礫判読ありの場合が月額60万円(利用回数2回、1回の写真処理2000枚まで)となっています。
人間にしかできないと思われていた作業も、AIの発展によってだんだんと自動化できるようになってきましたね。