管理人のイエイリです。
工事現場で欠かせないのが、時々刻々と変化する現場の写真を撮影し、記録していく業務です。
昼間にデジタルカメラで撮影した写真を、事務所に戻って図面や記憶と付き合わせながら、1枚1枚、フォルダ分けしたり、現場写真管理ソフトにコメントを付けて入力したりと、多くの手間ひまがかかっていました。
この労働集約的な作業を大幅に合理化しようと、大林組はオーク情報システム(本社:東京都墨田区)、チェンジ(本社:東京都港区)、StructionSite, Inc(本社:米国カリフォルニア州オークランド)と、画期的な写真管理クラウドサービス「StructionSite」を発売することになりました。
デジカメを持って現場の要所要所を撮影し、写真を整理するという作業が、
ナ、ナ、ナ、ナント、
360度カメラを持って
現場をぐるっと回りながら動画を撮影するだけで、終わってしまうのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
撮影後の写真整理作業を不要にしたポイントは、現場内での撮影位置をシステムがリアルタイムに把握し、写真と位置情報、そして日時を自動的にひも付けてくれるからです。
そのため、いちいち写真の撮影場所や日時を手入力しなくても済みます。
クラウド記録された写真は、現場の進ちょくをそっくりそのまま画像で記録した“デジタルツイン”(デジタルデータの双子)のように、いろいろな用途に使えます。
例えば、「チャット機能」を使うと施工管理者に何かを指示するときは、撮影した写真の上に印を付けて「ここを直しておいてください」と指示内容をメモしておくだけでOKです。
場所の指示は、「ここ」という一言で済みますので、早いだけでなく、ミスも少なくなりそうですね。
また、同じ場所で撮影した写真を時系列で過去にさかのぼったり、現在と過去の現場を同じアングルで比較したりすることもできます。既に天井板が張られていても、その裏にどんな設備があるのかなどがよくわかりますね。
そして、驚くべきことに「Navisworksプラグイン」を使うと、
BIMと現場の比較
もできちゃうのです。
360度画像ですから現場事務所のデスクにいながら、上下左右の状態をBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルと付き合わせて施工管理することができます。
このシステムは、StructionSite社が開発したものですが、大林組2018年9月に米国シリコンバレーの拠点「シリコンバレー・ベンチャーズ&ラボラトリ(SVVL)」を通じて同社に資本参加し、国内外の現場で利用しながら機能拡充を支援してきました。
日本国内では、チェンジとオーク情報システムの2社を統括代理店として、2020年春に販売を始めます。
人間の代わりに、四つ足ロボットやドローンなどにカメラをつけて現場を歩き回らせれば、完全オートマチックな現場写真記録システムの実現も夢ではなさそうですね。