管理人のイエイリです。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が全国に拡大したことに伴い、セミナーや展示会が軒並み中止や延期に追い込まれています。
そんな中、建築実務者が動画投稿サイト「YouTube」上で続々とチャンネルを開設し始めました。
例えば、高断熱高気密住宅を専門に手がける松尾設計室(本社:兵庫県明石市)は、2020年4月13日にYouTubeチャンネルを開設しました。
開設から1週間たった今朝(4月20日、6時58分)、このチャンネルを訪れてみたところ、チャンネル登録者数は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
2870人に達していた
のです。
最初に公開された「500社以上の工務店を指導して見えてきた工務店が出来てないことワースト5」という動画は、既に8000回以上も視聴されていました。
動画の内容は、文字通り、高気密高断熱住宅を設計する上で見落としがちなポイントをまとめたものです。
例えば第5位は「最適な冷暖房計画ができていない」というもの。「トヨタの車を買って、エアコンはオートバックスで適当に付けてくださいと言われたらどうですか」と、大変わかりやすく、説得力抜群の解説です。あっという間に3分51秒の動画は終わってしまいました。
そして注目すべきはコンテンツ更新のスピードです。チャンネル開設後、1週間もたたないうちに、既に7本の動画がアップされています。同社の代表取締役、松尾和也氏は全国各地で多数の講演をこなしていますので、そのエッセンスが集大成されたものと言えるでしょう。
続いて紹介するのは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使って建築業務のIT化や効率化を推進するペーパレススタジオジャパン(本社:東京都港区)が開設したYouTubeチャンネルです。
同社は建築・建設業界に対し、BIM導入と活用のサポートを行うため、定期的な動画配信を開始しました。そして4月14日には第一弾となる「BIM×助成金」というテーマで約19分の動画を公開しました。
「助成金」と「補助金」は一見、同じようなもののように思いますが、実は違います。
助成金は厚生労働省が交付するものですが、制度や内容が毎年、少しずつ変更されます。そのため申請が面倒でノウハウもいるため、社会保険労務士もあまり扱いたがらないという「穴場」的な資金です。
しかし、ゲットできれば面倒な報告などがあまりなくて楽というメリットもあります。
この動画では、綜合経営労務センター(本社:三重県津市)の中村貴博氏を講師に招き、ペーパレススタジオジャパンの代表取締役、勝目高行氏とともに、BIM導入に必要なハード・ソフトや人材教育、雇用など様々な側面から、どのような助成金がいくらぐらい利用できるのかを、具体的な金額を示しながらわかりやすく解説しています。
そして、助成金をゲットするための「打ち合わせ」も、テレビ会議室システムで行えるようになっています。ぜひ、活用してみてください。
BIM関係でもう一つ、注目したいYouTubeチャンネルとして、ZUMEN(本社:千葉県柏市)など建築関係の会社を2社運営し、図面の作図やチェックなどの業務を10年以上行ってきた二上祥氏が開設した「BIM CHANNEL」です。
BIM界には、既に長年の経験を持ったそうそうたるエキスパートの方々がおられますが、その一方ではこれからBIMを始める人や初心者もたくさんいます。
このチャンネルでは、二上氏自身がBIMソフト「Revit」を導入して、BIMとはどんなものなのか、通り芯や壁、ドアの配置はどうやったりいいのかを、自らの体験をもとにわかりやすく解説しています。
Revitの体験版をインストールして、サンプルのBIMモデルを開いてみて、あれこれいじりながら「あ、CGが動いた」など、ド素人感あふれる視点でBIMソフトを試してみるテイストなので、気軽に見られます。
しかし、動画には随所にポイントを端的に突いたコメントの数々がテロップとして挿入されており、動画の企画から撮影、編集に至るまで「プロの仕事」を感じます。
そして4月17日に公開された動画では、「よくわかる最新BIMの基本と仕組み」という、
家入の著書
まで取り上げてくれたのです。
二上さま、ありがとうございます!
緊急事態宣言の発令で、自宅にこもっている方も多いと思いますが、こんなときこそ普段は忙しくてできない、「急がないけど重要な仕事」が行えるチャンスです。
これらのYouTube動画を見て、高断熱高気密住宅の設計や助成金獲得のノウハウ、BIMソフトの体験版をダウンロードしての練習など、気軽に取り組んでみてはいかがでしょうか。