BIM/CIM化で圧倒的にわかりやすく!五洋建設の施工情報システムが進化
2020年4月1日

管理人のイエイリです。

建設プロジェクトの施工管理に使うカメラや帳票などが、アナログからデジタルに変わったころ、現場事務所では大容量のNAS(ネットワーク接続型ハードディスク)がよく使われていました。

しかし、故障時に使えなくなったり、虎の子の写真データを復旧するのに多額のお金がかかったりと、最近では信頼性のあるクラウドシステムを使う例が増えています。

五洋建設が2018年に発表した「五洋土工情報収集システム(i-PentaCOL)」もその1つ。国土交通省が推進する「i-Construction」の代表的分野である「ICT土工事」で、バックホーやブルドーザーなどの稼働情報や出来形・品質管理などのデータをクラウドサーバーに集約し、工事関係者がどこからでもアクセスできるようにしたものです。

2018年に発表された「五洋土工情報収集システム(i-PentaCOL)」のイメージ図(以下の資料:五洋建設)

2018年に発表された「五洋土工情報収集システム(i-PentaCOL)」のイメージ図(以下の資料:五洋建設)

あれから2年たち、このシステムは「五洋施工情報収集共有システム(i-PentaCOL/3D)」へと進化しました。

進化のポイントは、様々な施工情報をひも付けるプラットフォーム(情報基盤)として

ナ、ナ、ナ、ナント、

現場のBIM/CIMモデル

を導入した点なのです。(五洋建設のプレスリリースはこちら

2020年発表の「五洋施工情報収集共有システム(i-PentaCOL/3D)」のイメージ図

2020年発表の「五洋施工情報収集共有システム(i-PentaCOL/3D)」のイメージ図

上の図がBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)/CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)モデル導入後のイメージ図です。

情報基盤にBIM/CIMを用いることで、施工情報が3次元化され、圧倒的にわかりやすくなりました。

イメージ図をパッと見ただけでも、2018年に発表された旧システムは、情報を探し出すのに習熟が必要な感じです。一方、今回の新システムは3Dで視覚的にもわかりやすく、シンプルなので取っ付きやすい感じがします。

一般のBIM/CIMソフトは高価で習熟が必要なので、現場での活用に特化した操作性のよいBIM/CIMツールを新たに開発しました。

さらに施工について工事関係者がコメントを書き込めるコミュニケーション機能や、WEBブラウザーを使って説明動画を記録できるようにしたので、遠隔地のユーザーもタイムリーに説明を見たり聞いたりすることができます。

こうした機能により、データ収集・管理、資料作成、打ち合わせのための

移動時間を大幅削減

することが可能になりました。

このシステムは、国土交通省の2019年度のPRISM(プリズム。建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト)に採択され、国道106号与部沢トンネル工事で導入・施工中です。

同現場では、トンネル掘削最前線の岩盤を撮影した切羽写真、前方探査や坑内変位などの計測データとともに、貫通側の坑口部の斜面挙動を監視するため、地表面変位の計測結果もBIM/CIMモデル上に表示しています。

3DのBIM/CIMモデル上に様々なデータを集約することで、掘削と地盤沈下の関係など、近い部分のデータがどうなっているのかに注意を払う“気づき”の効果も出てきて、より高度な施工管理が行えそうですね。

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