ダメ出し部分をAR表示!仕上げ検査を効率化するiPadアプリ「Pinspect」

2020年4月7日

管理人のイエイリです。

昨日(2020年4月6日)の竹中工務店の仕上げ工事用アプリの記事に続き、今日は仕上げ検査を行うアプリの話です。

仕上げ工事の“ダメ出し”部分はこれまで、現場に番号を書いた付せんなどを張り付け、それに対応する図面上に補修を要する内容を書き込みというのが一般的な方法でした。

仕上げ工事で「ダメ出し」部分に付せんを張ったイメージ(写真:家入龍太)

仕上げ工事で「ダメ出し」部分に付せんを張ったイメージ(写真:家入龍太)

この方法だと、現場と紙の図面を突き合わせて確認するという煩雑な作業が必要で、場合によっては現場に張った付せんがどこかに飛んで行ってしまうという問題もありました。

そこでエム・ソフト(本社:東京都台東区)は、この作業を効率化するため「Pinspect」というアプリを開発。このほど最新版のVer.2.2.0をリリースしました。

Pinspectによる仕上げ検査のイメージ。現場にピンをセットし、写真やメモとひも付ける(以下の資料:エム・ソフト)

Pinspectによる仕上げ検査のイメージ。現場にピンをセットし、写真やメモとひも付ける(以下の資料:エム・ソフト)

iPad上で現場に「ピン」を設置し、それに写真やダメ出しの内容についてのメモをひも付けるもので、以前から他のアプリでも採用されてる方法です。

しかし、他のアプリと違うのは、ダメ出し部分の高さに応じて、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ピンの高さも3D表示

できることなのです。(エム・ソフトのプレスリリースはこちら

3DのAR(拡張現実)空間内に設置したピン

図面とピンを合体させると、ピンの高さがダメ出し部分に応じて異なる

これまでの仕上げ検査アプリは、2Dの平面図上にピンを設置していたため、高さ情報を共有することができませんでした。

その点、Pinspectでは現場で記録した3D情報を生かして、ピンの高さも表現できるのでぐっとわかりやすくなります。

また、現場に戻って現実空間と3Dピンを復元することもできます。

このほか、Pinspect用のクラウドサーバーにデータをアップロードすると、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルや点群データとピンを合体させることも可能です。

Pinspectを使った仕上げ検査のワークフロー

Pinspectを使った仕上げ検査のワークフロー

つまり、現実の現場(フィジカルツイン)と仮想のBIM/CIMモデル(デジタルツイン)をつなぐ役割を、Pinspectは果たしているというわけですね。

では、このアプリでどれだけ効率化が図れるのかという問いに答えるため、同社はオフィスのリニューアル工事の竣工検査で実験を行いました。

その結果によると、従来の方法に比べてPinspectによる仕上げ検査は、報告書作成までを含めると

約60%も時間が短縮

されたとのことです。

Pinspectによる仕上げ検査の時間短縮イメージ

Pinspectによる仕上げ検査の時間短縮イメージ

また、2020年3月25日に発売された新型iPad Proには、3Dスキャンカメラ「LiDAR」が搭載されています。PinspectもこのiPad Proで使うと、精度がぐっと高まるそうです。

仕上げ検査システムもここ数年、各社が競ってアプリを開発しています。人間の手作業を少なくすることで、建築工事の生産性向上も大きく向上しそうですね。

 
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