管理人のイエイリです。
社会インフラの老朽化が進む中、下水道管きょは目視での点検が難しく、標準耐用年数の50年を超えるものが今後、増加していくので、維持管理や修繕・改築にはますます工夫が求められます。
そこで奥村組とジャスト(本社:横浜市青葉区)は、下水道管きょ内部の点検業務を効率化しつつ、損傷判定の品質を確保する損傷検出システムを開発しました。
下水道管きょ内で広角テレビカメラを搭載した調査車を走行させ、撮影した管内の映像から
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIで損傷箇所を発見
できるのです。(奥村組のプレスリリースはこちら)
広角カメラで撮影した管内画像から展開画像を作成し、AI(人工知能)で解析することで、取り付け管の位置や管のジョイント位置からなる「管構造情報」や、損傷の位置、種類、傷の程度からなる「損傷情報」を抽出します。
その精度は、「取り付け管位置」については鉄筋コンクリート管と陶管の平均で99.0%(学習データ数平均:2320件)、損傷情報のうち「侵入水」については平均85.5%(学習データ数平均:562件)、損傷情報の全体では平均72.2%となりました。
下水道の管きょには、複雑なしみや凹凸がありますが、かなりの精度で異常を判定できることには驚かされますね。
また出力した解析結果は、調査報告書の資料としても活用できるので、報告書作成業務も楽になります。
ところで、AIによる損傷箇所などの判定スピードですが、一般的な性能のパソコンにこのシステムをインストールして試行した結果、
約30m区間を15秒程度
で処理できるとのことです。
さすがAI先生の仕事は速いですね。
ジャストと言えば、2019年2月6日の当ブログ記事でもご紹介したように、様々な建築・土木構造物の調査や診断業務を毎日行っており、AIや画像解析のほかドローンやロボティクスなどの専門家を集めた「チーム J-Brain」を社内に擁しています。
後は、これまでに建設された下水道管きょ内の映像をいかに素早く、効率的に撮影できるかですね。管内調査車のほか超小型ドローンなども使って、現場の調査を大量かつ効率的に行えるようになることを願っております。