海面に着水→観測→離水!東大とプロドローンが海洋観測用ドローンを開発

2020年5月15日

管理人のイエイリです。

海底の地形や水深、海水温などを計測する海洋観測はこれまで、船で現場に出掛けて観測装置を積んだブイを設置するなど、手間ひまのかかる方法で行われてきました。

しかし船を動かすとなると、海面を移動する時間や燃料コストがかかり、船の運航に必要な船長や乗組員などの人的コストもかかるので、おいそれと簡単に計測するわけにはいきません。

そこで東京大学生産技術研究所 海中観測実装工学研究センターの横田裕輔講師と、プロドローン(本社:名古屋市天白区)は、ドローン(無人機)を使った低コストかつスピーディーな海洋観測方式を2つ開発しました。

その1つは、ドローンにフロート(浮き)を付けて観測地点まで飛行させ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

着水→観測→離水

を繰り返しながら、多数の地点を短時間で観測できるのです。

 

フロートを搭載したドローン(以下の写真、資料:東京大学 横田裕輔講師、プロドローン)

フロートを搭載したドローン(以下の写真、資料:東京大学 横田裕輔講師、プロドローン)

 

観測地点まで飛行すると海面に着水し、ソナーなどを使って海底の地形や地殻変動などを調査。その後、海面から離水し、次の観測地点に向かう

観測地点まで飛行すると海面に着水し、ソナーなどを使って海底の地形や地殻変動などを調査。その後、海面から離水し、次の観測地点に向かう

この「高精度GNSS搭載・海面着水型ドローン」のフィールド実験が、静岡県焼津市の石津浜公園で行われました。天候は風速5m/秒以上の風と雨が降りしきる状態でしたが、高精度GNSS(全地球測位システム)や機体動揺データを取り、検証しました。

その結果、精密音響機器を搭載して、海面・海中・海底観測を行えることが確認できました。いわば、海面の要所要所を移動しながら海底の地形を図る“海上MMS”のような使い方ができそうですね。

ドローンの上下動やピッチ(前後の回転)、ロール(左右の回転)、ヨー(水平の回転)の記録

ドローンの上下動やピッチ(前後の回転)、ロール(左右の回転)、ヨー(水平の回転)の記録

実験が行われた静岡県焼津市の石津浜公園

実験が行われた静岡県焼津市の石津浜公園

2つめの機器は、着水こそしませんが海中の水温や水圧・電気伝導度などを計測するセンサーを積んだ観測機器(可搬式XCTD)を搭載して離陸し、

観測地点で自動投下

する「海中観測機器投下型ドローン」です。

観測機器の投下装置(鶴見精機製)を備えた「海中観測機器投下型ドローン」

観測機器の投下装置(鶴見精機製)を備えた「海中観測機器投下型ドローン」

上空から観測機器を投下するドローン

上空から観測機器を投下するドローン

深度ごとの水温や圧力、塩分濃度などの観測結果

深度ごとの水温や圧力、塩分濃度などの観測結果

実験では、約15分ごとに同一地点を繰り返し計測し、水温や圧力、塩分濃度などを計測することに成功しました。この観測技術によって港湾や養殖場などでの計測を高速かつ簡単に行えるようになります。

海洋観測用ですが、これらの技術は港湾工事などで海底の地形を測量したり、工事範囲を示す小型ブイを設置したりする作業などにも使えそうですね。

 
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