管理人のイエイリです。
足場材などのレンタル会社、杉孝では、VR(バーチャルリアリティー)を使った足場の安全教育を行っています。
例えばマンションの改修工事現場で、足場解体作業中の不安全行動によって、高所から墜落する状況を、ヘッドマウントディスプレー(HMD)を着けて体験する、といった教育です。
実物大で立体視できるHMDを着けて、バーチャルな足場上を歩くと下界がはるか下に見えて足がすくむ感じを体感できますが、同社の安全教育ではさらにリアリティーを追求しています。
HMDを着けるだけでなく、現場で使う資材を担いだうえ、
ナ、ナ、ナ、ナント、
実際の足場材
を置いて、その上を歩かせるのです。
手にはずっしりと資材の重さを感じ、フワフワした足場材の感触が伝わってくることで、リアルさはいやがおうにも高まります。
この状況で、“墜落”なんてした日にゃ、恐怖感は並大抵のものではありませんね。
ここまでなら、ちょっと進んだ建設会社や工務店などもやっているかもしれません。
杉孝のVR安全教育では、「キャー、怖かった」だけでは終わらないのです。
例えば、足場板の上に鋼管などが無造作に置いてある状況です。
自分自身は墜落しないように気をつければ大丈夫でも、その資材を下に落としてしまうかもしれません。
そして実際の足場を歩くと、鋼管に足が当たり、足場から落下してしまいました。
「あっ、しまった」と思って下をのぞくと、そこには血を流して倒れてる作業員の姿が見えます。
このVRによって
加害者の気持ち
までも体験することができるのです。
感情までもプラスした“エモい”VRを体験すると、実際の現場でもあのシーンがよみがえり、「絶対に資材は落とさないようにするぞ」いう気持ちになりますね。
VRによる自己体験は、安全大会の会場ロビーなどでデモンストレーションすると大人気だそうです。
実際の事故は決して起こしてはいけませんが、VRなら何度体験しても大丈夫です。事故の怖さや苦い気持ちをVRで疑似体験することで、現場の安全意識も高まりそうですね。