管理人のイエイリです。
ニコン・トリンブルは2020年に、工事現場向けのAR(拡張現実)システム「Trimble SiteVision Handy」という製品を発売しました。
GNSS(全地球測位システム)やEDM(光波距離計)、バッテリーを内蔵した本体に、Androidスマートフォンを組み合わせて、構造物などの3Dモデルを、現場の風景と重ねて見られるものです。
このシステムを使うと、現場で
ナ、ナ、ナ、ナント、
道路下の埋設管を“透視”
したり、未来の現場を一歩先に見たりすることができるのです。
これだけでも現場の生産性は、相当上がりそうですが、同社は「精度面では、手ぶれの影響を受けてしまう」と、さらに高性能なARシステムを追求しました。
そして、超高精度の屋外ARシステム「Trimble SiteVision Rover」を開発し、2022年1月11日に発売したのです。(ニコン・トリンブルのプレスリリースはこちら)
この新製品は、測量用のIMU(慣性計測装置)が搭載された高精度GNSS受信器「Trimble R12i GNSS」と、丈夫なコントローラー「Trimble Data Controller TSC7」に、ソフトウェア「SiteVision for Windows」を組み合わせたシステムです。
測量用のTrimble R12i GNSSを使用するため、従来のHandyと比較して、約1.2倍の精度で位置情報を取得でき、ポール先端の座標値をピンポイントで取得できるのが特長です。
本体が傾いた状態でも、内蔵のIMUセンサーが受信機の姿勢を検知して、ポール先端の座標値を算出できます。そのため観測ポールをまっすぐに立てられない場所でも、高精度な位置情報が取得できます。
こうした改良の結果、地下に設置された水道やガス、電気などのライフラインを、
数センチメートルの精度
で現場に透過表示でき、正確な位置やサイズ、属性情報を同時に見られるようになりました。
このほか、目標物が乏しい現場での杭打ち作業で、すぱやく杭芯の墨出しを行うことも可能です。
コントローラーはWindows 10 Pro で動作し、8GB RAMや64GB内部メモリーを搭載しています。モニターには7インチ型のマルチタッチスクリーンを採用し、太陽光の下でも高い視認性を発揮します。
いよいよ、ARで埋設管の位置確認や墨出しなどの本格的な施工が行える時代になってきましたね。座標値だけでなく、3Dモデルも見ながら作業できるので、施工ミスの低減にも効果を発揮しそうです。