大林組の工程管理システム「プロミエ」が進化! BIMと点群で進捗管理を自動的に
2022年5月17日

管理人のイエイリです。

大林組は2021年7月、ビジュアル工程管理システム「プロミエ」を発表しました。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルの属性情報と、実物の部材に張ったQRコードを使って各部材の動きを把握し、クラウド上で一元管理するものです。(詳しくは、2021年7月21日付の当ブログ記事を参照

そしてこのほど、プロミエがアップグレードし、施工管理用のBIMプラットフォームとして完成度が大幅に向上しました。

その一つは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

BIMと点群データ

を重ね合わせて、現場の進捗管理を自動的に行う機能が搭載されたことなのです。

BIMモデルと点群データを重ね合わせて自動的に進捗管理を行う機能(以下の資料:大林組)

BIMモデルと点群データを重ね合わせて自動的に進捗管理を行う機能(以下の資料:大林組)

これは「実存判定」と呼ばれる機能で、BIMモデルと合致する点群データが一定数、存在することにより、所定の位置に部材が配置されたことを認識し、実績として判定するものです。

また「ビジュアル工程管理」の名にふさわしく、画面も見やすくなりました。工事の進捗に合わせて「3D標準」、「3D計画」、「3D実績」、「3D進捗」と「一覧表」から2画面を選んで並べて表示、比較できるようになりました。

これらの画面は連動しているので、BIMモデルと部材の一覧表を並べて情報を確認したり、計画と実績を比較したりして、工程管理をビジュアルに確認できます。

3D画面と部材の一覧表を並べて表示した例

3D画面と部材の一覧表を並べて表示した例

計画と実際の進捗を比較した例

計画と実際の進捗を比較した例

このほか、BIMモデルが持つ数量情報と進捗データから出来高数量を算出し、グラフや表でわかりやすく表示する機能も追加されました。

月ごとの出来高を集計したグラフ(上)や、工事進捗の計画と実績を数量ベースで表示したグラフ(下)も自動作成できる

月ごとの出来高を集計したグラフ(上)や、工事進捗の計画と実績を数量ベースで表示したグラフ(下)も自動作成できる

そして、算出された出来高数量は、専門工事会社と共有し、帳票出力機能で出力した出来高帳票は、毎月の

請求処理に利用

できます。

BIMモデルで進捗状況を表示したビジュアルな出来高報告書

BIMモデルで進捗状況を表示したビジュアルな出来高報告書

このシステムを試行した現場では、施工管理業務を効率化でき、請求処理時の出来高数量算出の時間が約20%短縮できたそうです。

また、ユーザーごとのアクセス権限を設定し、部材の製作状況や現場の施工進捗状況などを、顧客や設計者、協力会社と情報共有も行えます。

BIMモデルで進捗状況を確認して関係者に連絡したり、出来高を算出して請求処理などを行ったりする際には、手作業による「ひと手間」がかかっていました。

このシステムはBIMモデルのデータを共有したり、と出来高帳票の作成をシームレスに連携したりすることで、「ひと手間」の積み重ねを大幅に削減し、生産性を高めた例と言えるでしょう。

大林組では今後も「プロミエ」の機能拡張を図るとともに、外販していく方針です。

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