現場ロボを遠隔操作化! NTT西日本と建ロボテックが誰でも働ける職種開発へ
2022年9月30日

管理人のイエイリです。

元鉄筋工の眞部達也さんが代表取締役を務める建ロボテック(本社:香川県三木町)では、人間とともに働く協働型鉄筋結束ロボット「トモロボ」を開発、販売しています。

縦横にずらりと配置された鉄筋をレール代わりに利用して、鉄筋交点を一つ一つ、鉄線で自動結束してくれるロボットです。

鉄筋の交点を鉄線で自動結束してくれる「トモロボ」(以下の写真、資料:NTT西日本、建ロボテック)

鉄筋の交点を鉄線で自動結束してくれる「トモロボ」(以下の写真、資料:NTT西日本、建ロボテック)

使い方は簡単ですが、これまでは鉄筋の端まで行った時、作業員が「トモロボスライダーという専用の道具を使って横移動させ、逆方向に再スタートさせる必要がありました。(詳しくは、2020年11月12日付けの当ブログ記事を参照

こうした現場のひと手間を減らそうと、2022年9月26日に同社は西日本電信電話(以下、NTT西日本)と協定を締結し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

トモロボを遠隔操作

 

する共同実験を開始したのです。(NTT西日本、建ロボテックのプレスリリースはこちら

トモロボを各地のリモートオペレーターが遠隔操作するイメージ

トモロボを各地のリモートオペレーターが遠隔操作するイメージ

この実験ではトモロボを遠隔操作して、鉄筋のレーンチェンジと方向切り替えなどを行うことで、現場作業員の負担を減らします。

そして建設業界になじみのない人にも「リモートオペレーター」という新たな職種を用意して、現場作業の支援が行える仕組みづくりに取り組みます。

実験は2022年9月26日~2023年3月31日の間、NTT西日本(大阪市都島区)と建ロボテックの両拠点で行います。

トモロボには、鉄筋のレーンチェンジや通信機能などを追加実装して、遠隔操作やオペレーションを支援するためのアクセスラインを整備します。

また、リモートオペレーターがトモロボを遠隔制御するめたに必要な「クラウドロボティクス基盤」を構築します。

クラウドロボティクス基盤とは、クラウド上でロボットの操作や管理を最適化する仕組みです。これまでロボット側のエッジで処理・判断していたものを、クラウド上での処理・判断する基盤へと移行していきます。

NTT西日本がめざすクラウドロボティクス基盤のイメージ

NTT西日本がめざすクラウドロボティクス基盤のイメージ

NTT西日本の役割
  • ユーザー拠点とクラウドロボティクス基盤を接続するネットワーク環境の構築
  • 「トモロボ」への映像伝送機能の実装支援
  • 遠隔操作・オペレーション支援に必要な機能検討及びクラウドロボティクス基盤構築
建ロボテックの役割
  • 「トモロボ」への遠隔操作・オペレーション支援に必要な機能の実装
  • 遠隔オペレーターの操作UIの開発
  • 実証環境の準備と調整

この実験が成功すると、これまで現場で働けなかった高齢者や身体障碍者、そして

 

海外在住者

 

なども、リモートオペレーターとして現場の作業に従事できるようになります。

現場で働く作業員も、時々、手を止めてロボットのお世話をする必要がなくなるので、仕事に集中できます。

様々な人がリモートオペレーターとして、現場の作業に参加する将来のイメージ

様々な人がリモートオペレーターとして、現場の作業に参加する将来のイメージ

両社はこの実験を通じて、トモロボの有用性を検証し、今後は建設業で使われる様々なロボットの遠隔操作やオペレーション支援に取り組みます。

またNTT西日本は、建設業だけでなく、あらゆる業界のロボットに活用されるクラウドロボティクス基盤の構築に向けて取り組んでいくとのことです。

日本では、2030年に建設技術労働者が約130万人不足すると見込まれているので、その大きな解決策になりそうですね。

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