安藤ハザマがBIMの全社展開に備えZ230を建築設計部門に導入
ArchiCADやRevitとの相性も評価(日本HP)
2014年8月31日

安藤ハザマがBIMの全社展開に備えZ230を建築設計部門に導入
ArchiCADやRevitとの相性も評価(日本HP)

2013年4月会社合併によりに発足した安藤ハザマでは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の全社展開が急ピッチに進んでいる。ArchiCADやRevitなどのBIMソフトをスムーズに活用するために選んだハードウエアは、日本ヒューレット・パッカードのワークステーションだ。Z230やZ420といったBIM向きの機種を建築設計部門に大量導入。さらに出張に備えてモバイルワークステーションZBook14も導入している。

安藤ハザマ建築設計部門に導入された日本HPのZ230

安藤ハザマ建築設計部門に導入された日本HPのZ230

   BIM用に選んだ日本HPのワークステーション

旧・安藤建設と旧・ハザマが2013年4月に合併して誕生した安藤ハザマ(東京都港区)は、合併直後からBIMへの本格的な取り組みがスタートした。同年10月にはBIMの社内展開を図るため3人のスタッフからなる「BIM推進グループ」が発足し、翌年4月には職員の数が7人に増強された。

「BIM導入の目的は、顧客満足の実現と建設の技術力向上にある。建設会社として、プロジェクトの川上から川下まで、一貫した生産性向上に取り組んでいる」と、安藤ハザマのBIM推進グループ長の吉田日都士氏は語る。

安藤ハザマのBIM推進グループメンバー(左から黒川氏、下川氏、渡邉氏、吉田氏、江口氏、松野氏、鬼木氏)

安藤ハザマのBIM推進グループメンバー(左から黒川氏、下川氏、渡邉氏、吉田氏、江口氏、松野氏、鬼木氏)

BIMで設計を進めているオフィスビルの事例

BIMで設計を進めているオフィスビルの事例

BIMを活用するためには、高性能なハードウェアも大量に必要となる。以前、使っていたパソコンはCPUの処理速度やメモリー容量、グラフィックボードの性能などのスペックが不十分なため、社内で使っているArchiCADやRevitなどのBIMソフトがスムーズに動かなかった。

そこで選んだのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のワークステーションだ。Z230やZ420といったBIMの実務に向いた機種を、2013年は約50台、2014年(7月時点)は約90台と、大量に導入した。

BIMの基盤整備や長期的な導入計画を担当する松野義幸担当部長は「Z230を中心に導入しています。メモリーは8GBで64ビット機が中心ですが、SSDをキャッシュメモリーとして使用するインテル・ラピッド・ストレージ・テクノロジーが採用されているため、体感スピードは速く、コストパフォーマンスに優れています」と説明する。

  BIMソフトとの相性が良い日本HPのワークステーション

安藤ハザマでは、様々なソフトベンダーのBIMソフトを組み合わせて使う「OPEN BIM」の思想でBIMの活用を推進している。

例えば、意匠設計ではグラフィソフトジャパンのArchiCADを主に使用し、構造設計ではオートデスクのRevitを主に使用、設備設計からはダイテックのCADWe’ll TfasやNYKシステムズのRebroのデータを受け取って干渉チェックを行う、といった具合だ。

「日本HPのワークステーションは、ArchiCADやRevitなどのBIMソフトとの相性が良く、安心して使えます。一方、ワークステーションのメーカーによっては、BIMソフトが正常に動作しないケースもたまにあります」というのは、担当課長で統括BIMマネージャーの江口氏だ。

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様々なBIMソフトのデータを統合して仮設計画を検討し、その施工性を確認する

様々なBIMソフトのデータを統合して仮設計画を検討し、その施工性を確認する

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BIMソフトとワークステーションの相性の良さは重要だ

BIMソフトとワークステーションの相性の良さは重要だ

日本HPはBIMソフトのベンダーと協力して、ソフトとの相性問題が起こらないように努めている。例えば、オートデスクはHPのワークステーションを導入し、ソフトの開発やサポートなどに使用している。グラフィソフトジャパンと日本HPも連携して、BIMソフトの動作状況に不具合などが生じないか、独自に検証している。

また、BIMの社内教育・普及活動を担当する下川弘副部長は、「ワークステーションのメーカーや機種を統一しておくことで、BIMソフトの使用上で不具合などが起こったときでも、実務者からの問い合わせに答えやすくなり、スピーディーに問題解決が行えるのもメリットです」と説明する。

  出張先でのBIMソフト活用にはZBook14を

2014年8月から、BIM推進グループは全国各地の支店や現場に出掛けて、BIM導入の本格的な支援や指導をスタートさせる予定だ。理想的には現場の技術者が自分自身でBIMソフトを使えるようになることだが、当初はケース・バイ・ケースで、BIM推進グループが実務を一部、受け持ちながらBIMの社内展開を徐々に図っていく。

「BIMソフトを持って、全国の支店や現場に出掛けて指導や支援を行うために、ウルトラブック型のワークステーションZBook14の導入を予定しています。この機種だとサイズや重さが気にならず、BIMソフトもスムーズに動くので、BIM推進グループのこれからの業務には不可欠になりそうです」と吉田グループ長は言う。

出張先や会議でのBIM活用にはZBook14が便利だ

出張先や会議でのBIM活用にはZBook14が便利だ

安藤ハザマのBIM活用方針は、BIMの敷居をできるだけ低くしてまずは多くの設計者や技術者になじんでもらうことだ。吉田グループ長は「松竹梅のうち“梅のBIM”からはじめる」と説明する。

従来の2次元の図面ベースから3次元のBIMモデルベースへとまずは業務のスタイルを変えて量的な充実を図りながら、属性情報を活用した解析やシミュレーションなど、徐々にBIM活用の高度化を図っていく、という戦略がその裏にはある。

「日本HPのワークステーションには、ネットワークを通じて遠隔操作する『HPリモート・グラフィックス・ソフトウエア』、略してRGSというソフトも付いています。近い将来、日本HPのZ800クラスの高性能ワークステーションを社内クラウドに置いて、出張先などからRGSでアクセスするという使い方も、ぜひ実現したいですね」と江口氏は将来の夢を語った。

 

【問い合わせ】
日本ヒューレット・パッカード株式会社東京都江東区大島2-2-1オンラインストア HP Directplus

TEL : 03-6416-6161

ホームページ : http://www.hp.com/jp/directplus/

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