第3回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード、ノミネート作品を発表
2016年10月25日

審査員の方々による厳正な審査の結果、合計8作品をノミネートいたしました。

 雨水貯留浸透施設『アクアパレス工法』における構造特性把握
-貯留浸透施設の開発における三次元骨組解析の適用-
株式会社トーテツ
使用プログラム : Engineer’s Studio®
近年の都市部を中心とする雨水流出抑制施設の必要性の高まりおよび大規模な災害時における非常時の水確保が求められる状況に対し、雨水の貯留・浸透・利用施設として活用可能な地下貯留システムを実現すべくアクアパレス工法を開発し、今回改良を行った。
改良した主な点は、仕切板の大型化として、335mm×335mmから675mm×675mmに変更し、主SPパイプの設置本数を減らしたことである。
 下水道施設に非線形有限要素解析を適用する場合の実験結果
および解析結果に基づく限界値の設定

株式会社エーバイシー
使用プログラム : Engineer’s Studio®
本作品は、構造設計者が非線形有限要素解析を活用してRC構造物の合理的な性能照査を行えるようになることを目指し、下水道施設を対象に、局所ひずみを指標とした限界値を提案するものである。既往の載荷実験結果を基に、Engineer’s                   Studio®を用いてボックスカルバートの応答を解析的に評価できることを確認した上で、その結果より、各耐震性能の限界値を考察した。
 既設RCラーメン橋脚の耐震性能照査および補強解析
-昭和20年代竣工の橋脚に対する合理的かつ経済的な耐震性向上を目指して-
株式会社三協技術
使用プログラム : Engineer’s Studio®
平成23年度に実施された「芋窪橋橋梁補修設計業務委託」完了後の工事発注段階において、現地確認の結果、橋脚寸法が設計値と異なっていることが判明した。本業務は、過年度補強検討での方針に準じ、現地で計測された橋脚実寸法を用いた解析モデルをEngineer’s                   Studio®により作成し、漸増載荷荷重、非線形解析による耐震検討を行ったものである。
 有限要素法を用いたシェル式ローラーゲートの津波荷重による照査
-扉体構造物の津波襲来時のより詳細な検討のために-
応用技術株式会社
使用プログラム : Engineer’s Studio®
既設防潮水門のシェル式ローラーゲートの津波襲来時の損傷について、Engineer’s Studio®を使用して扉体モデルと戸当たりモデルを作成し、検討する。レベル1津波に対しては、扉体の損傷がその機能を発揮できる範囲に収まることを照査する。レベル2津波に対しては、損傷具合を明らかにすることにより、避難計画作成等のための基礎資料とする。
 揚水ポンプ場における耐震照査
-ES前川モデルに対する考察-
日中コンサルタント株式会社 名古屋支店
使用プログラム : Engineer’s Studio®
Engineer’s Studio®に導入されている鉄筋コンクリート非線形モデル(前川モデル)を用いて、地震時(レベル2相当)の耐震照査を行う。対象構造であるポンプ場は大規模鉄筋コンクリート構造で、鉄筋コンクリート特性の違いは、その挙動に影響がある。今回の解析においては鉄筋コンクリートの挙動を把握することを目的としている。
 ソフト防災への活用を念頭に置いた浅水長波方程式に基づく津波遡上シミュレーション
-津波遡上シミュレーション結果に与える建物のモデル化の影響-
大分工業高等専門学校
使用プログラム : xpswmm
南海トラフ巨大地震による津波被害を軽減するためには、住民の防災・減災意識の向上が必要不可欠になると考えられる。よって、より精度の高い津波遡上予測と、これを分かり易く伝えるための可視化が重要になる。
地震による海洋上の津波の伝播予測には、水深方向に平均流速と静水圧を仮定する浅水長波方程式に基づく解析が行われており、十分な予測精度があると言われている。他方、陸地を津波が遡上して行く現象については、必ずしも長波の仮定が成り立たないと考えられ、予測精度が明確になっていないと思われる。しかし、浅水長波方程式は、2次元問題として取り扱えるという大きな利点がある。そこで、本稿では、浅水長波方程式に基づく津波遡上問題の予測精度を改善することを目的とし、陸地に存在する建物のモデル化がシミュレーション結果に与える影響について考察した。また、数値実験の可視化についても                   検討を行った。
 PC-壁体による自立式擁壁の高耐震化と合理的な性能照査型耐震設計法の提案
-実大実験の実施と高性能FEMファイバーモデルによる照査-
日本コンクリート工業株式会社
使用プログラム : Engineer’s Studio®
PC-壁体は、主に自立山留め式構造の道路擁壁として使用されており、地震直後には緊急輸送道路としての役割が求められている。また、土木構造物の設計が国際規格の性能規定型への移行が促進している背景から、PC-壁体の耐震設計においても、地震規模や構造物の重要度に応じて、具体的な要求性能を規定化した合理的な設計方法を策定することが急がれている。そこで本研究では、Engineer’s Studio®を用いてPC-壁体の非線形を考慮した解析を行い、実大曲げ試験結果との検証を踏まえた上で、自立山留め式擁壁構造における合理的な耐震設計法を提案した。
 人材育成におけるEngineer’s Studio®の活用
-3径間連続鋼鈑桁橋の構造特性把握に向けて-
国土交通省中部地方整備局
使用プログラム : Engineer’s Studio®
3径間連続鋼鈑桁橋を題材に、「もし、主桁中央部が破断したらどのように緊急対策するか?」を課題とした1-OUTコンテストを実施し、この取り組みを通して鋼橋の構造特性を把握し、将来もし橋梁に事故が発生した場合、臨機の対応ができるようなスキルを身につけることを目的としています。
▲フォーラムエイト東京本社セミナールームにて
ノミネート作品審査会を実施。
▲審査員
左から、若井明彦 氏、吉川弘道 氏(審査委員長)、守田優 氏

詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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