コラム「コロナ対策に設備機器ベンダーも本格始動する」公開
2020年6月8日

BIMで建築が夢をみる

#87 コロナ対策に設備機器ベンダーも本格始動する

コロナ対策としての3密回避が必須の生活が続いています。建設業界としても何ができるのかの挑戦が始まっています。新菱冷熱工業では地域の基幹病院や医療施設などを中心に、院内環境をより安全に保つ換気の見直し提案を進めていくと公表しました。

「換気見直しチーム」を編成して対応し最も効果的な手法を提案

新型コロナウイルス感染症の拡大によって病院・医療施設内の安全な空気環境を保持することは喫緊の課題となりました。そこでは換気は感染発生リスクを抑えることに繋がるとされ、室内の空気を入れ替えて密閉空間の状態を改善することが推奨されています。

新菱冷熱工業では、新型コロナウイルスの感染拡大防止に空調技術で貢献できないか4月から社内で議論を重ね、現時点で最も効果的な手法として安定的な換気を構築する提案を進めています。具体的には、営業と設計担当者による「換気見直しチーム」を編成して対応し、新型コロナウイルスの感染経路や空調設備と新型コロナウイルスの関わりなどに関する知識を事前に学んだ上で換気の見直し提案を進めるとのことです。

気流や温度分布などをシミュレーションして空気環境をわかりやすく見える化

換気の見直しには換気の状態を高精度に再現可能な数値流体シミュレーション(CFD)技術を駆使します。CFDは、エアロゾル粒子の濃度分布もシミュレーションすることができ、病原体などの空気中での挙動を再現できると共に、院内空気の「よどみ」を見つけて風の流れを明らかにします。そのためリニューアル前後の環境改善効果の比較も可能となっています。

CFD採用のメリットは、気流や温度分布などをシミュレーションで再現することによって空気環境をわかりやすく見える化できることです。高性能サーバーマシンを用いた解析精度は誤差±5~10%以内と高く、実環境を高精度に再現することが可能です。

室圧制御システムの構築技術も提供する

室圧制御技術は、室圧を高くして、室外から汚染物質が流入するのを防いだり、逆に室圧を低くすることで、室内で発生する汚染物質の室外流出を防止したりする技術です。病院・医療施設では、目標の室圧を高い精度で維持することが求められるだけでなく、多数の部屋や通路など広域を対象にした室圧制御へのニーズが高まっています。

換気を見直す際には、施設全体で調整された室内圧力(室圧)バランスが崩れないことと正常なバランスが維持されていることに注意を払わなくてはなりません。これらの課題に対しては、室圧計算プログラムによって複雑な制御機器の動作を予測することで安定性の高い室圧制御システムの調整をスムーズに行うことができます。また、施設の一室を陰圧化するようなニーズにも、室圧バランス調整含めて対応することが可能です。

待合エリアの気流を数値流体シミュレーションで高精度に再現

詳しくは、福井コンピュータアーキテクトのウェブサイトで。

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