T-fas後継ソフト「CADWe’ll Linx」が進化! 配管加工、変電機器設計など属性情報の連携機能が新搭載
2024年4月24日

管理人のイエイリです。

ダイテック(本社:東京都品川区)の建築設備専用CAD「CADWe’ll Tfas」(以下、Tfas)の後継BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとして、「CADWe’ll Linx」(以下、Linx)が発売されたのは2020年のことでした。

Tfasの後継BIMソフトとして発表されたLinxのコンセプト(以下の資料:ダイテック)

Tfasの後継BIMソフトとして発表されたLinxのコンセプト(以下の資料:ダイテック)

2020年の発売以来、本格的な空調・衛生・電気の設備BIMソフトとして進化してきたLinxの代表的機能

2020年の発売以来、本格的な空調・衛生・電気の設備BIMソフトとして進化してきたLinxの代表的機能

発売から早くも4年、2024年4月22日には最新版の「Linx V5」が発売され、ますますBIMソフトとして進化を遂げてきました。

今回のバージョンアップで搭載された機能のうち、注目されるのは配管加工機能です。

Linxで作成した設備モデルから、

ナ、ナ、ナ、ナント、

配管の加工図やユニット図

を作成し、工場製作に直結できるのです。(ダイテックのプレスリリースはこちら

Linxで作成した配管設備のBIMモデル

Linxで作成した配管設備のBIMモデル

直管部分を定尺長で分割して、各部材を区別するためのピースNo.を表示できるほか、曲管(エルボ)の間にはさまれる切管の切断長までを記載した単品加工図までを出力できるのです。

直管部分を配管の定尺長で分割し、ピースNo.を打って、単品加工図を出力できる。加工図には切管の切断長も記載されている

直管部分を配管の定尺長で分割し、ピースNo.を打って、単品加工図を出力できる。加工図には切管の切断長も記載されている

配管やバルブがひとまとまりになった配管ユニットには、ユニットNo.を付加した配管ユニット図を出力できます。

配管ユニット図を出力した例

配管ユニット図を出力した例

防火区画内や壁貫通部に使われる、鋼板厚1.6mmの「1.6tダクト」の作図も、ダクトのモデリング時に行えるようになりました。板厚を変更すると、ハッチ絵柄に変更できます。

「1.6tダクト」の作図機能

「1.6tダクト」の作図機能

BIMソフトらしい進化としては、

属性情報の集計や連携

に関する新機能が搭載されたことが挙げられます。

例えば、「盤リスト機能」は、配線回路ごとに負荷容量を自動集計できるほか、分電盤や動力盤などのリストが標準搭載されており、そのデータをExcelデータなどに書き出して、機器発注などの業務に活用できます。

負荷容量の自動集計機能などを備えた「盤リスト機能」

負荷容量の自動集計機能などを備えた「盤リスト機能」

高圧受電した電気を100Vなどに変圧する「キュービクル式高圧受電設備」は、Linxのデータを河村電器産業(本社:愛知県瀬戸市)の電気設備設計支援サービス「Qrespo」とデータ連携して3Dモデルで設計し、サイズや重量などの属性情報を持ったままLinxに取り込めます。

河村電器産業の「Qrespo」で設計したキュービクル式高圧受電設備のBIMオブジェクトをLinxと連携する機能

河村電器産業の「Qrespo」で設計したキュービクル式高圧受電設備のBIMオブジェクトをLinxと連携する機能

このほか、BIMソフト「Revit」のネーティブファイル(.rvt)の直接出力機能や、クラウド型施工管理アプリ「SPIDERPLUS」への機器情報連携機能なども搭載されました。

SPIDERPLUS連携機能により、Linxの機器情報を現場での風量計測や工事写真撮影を行うイメージ

SPIDERPLUS連携機能により、Linxの機器情報を現場での風量計測や工事写真撮影を行うイメージ

LinxではBIMモデルを「建物データベース」として扱い、オブジェクトの属性情報を帳票作成や発注管理、系統管理などに活用することで業務プロセスを変革する、建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)を目指しています。

こうした機能がアプリに搭載されることで、少しずつ、BIMの“I”の有効活用が進んでいきそうですね。

(Visited 1 times, 7 visits today)

Translate »